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少子化対策PT:第3回詳報 「不妊センター設置を」「家族計画を教育に」(2/3ページ)

少子化対策PTの第3回会合でコーディネーターを務めた経済評論家の勝間和代さん。右は小渕優子少子化対策担当相
少子化対策PTの第3回会合でコーディネーターを務めた経済評論家の勝間和代さん。右は小渕優子少子化対策担当相

 ◇男性への対応の難しさ

 斉藤さんの話を受けて宮島さんが「公的な医療体制がとりにくい理由」を尋ねたところ、斉藤さんは「不妊治療に取り組むには泌尿器科や心理カウンセラー、胚の培養士などの体制が必要だが、人数的に予算化されていない。公立の施設は異動も頻繁で継続診療が難しい。現在は産科医療の崩壊がいわれ、どちらかと言えば産科を優先しないといけない」ことを挙げた。

 イギリスは地域基幹病院が体外受精などを行っているが、認可制のため技術力や治療方針が標準化されているという。日本では認可制ではないため産婦人科医はだれでもできることから、鈴木さんは「クリニックにより治療内容や方針にばらつきがある。納得できなかったりうまくいかないと転院し、検査を最初からやり直す無駄も生じる」と指摘した。

 松田さんは「そもそも課題が多いのは、社会構造が弱いからといえるのでは。まずは産みたいときに安全に産める▽早い段階から妊娠について知識を得る。次に不妊の人には手厚い治療をするべきなのではないか」と発言。鈴木さんはうなずきつつも「不妊-妊娠-分娩-子育て、という流れがある。実はすべてに手厚い補助が必要ではある」と持論を述べた。

 ワークライフバランスの推進や父親の育児を提唱している安藤さんは「日本人は労働時間が長い。働き方の見直しと不妊とは相関関係があるのか。男性側への対策は」と質問。斉藤さんによると、不妊の原因はおおむね男性女性半々で、男性の場合は「労働環境のストレスが原因ということもある」という。鈴木さんは「フィンレージの会でも男性不妊のサークルを作ったが、来たのは妻ばかりだった。精神的ショックもあるだろうが、夫はなかなかしゃべりたがらない。妻に心身の負担をかけているからと口出しをしない夫もいるようだ」と男性側のケアの難しさを挙げた。斉藤さんも「『タバコを控えた方がいい』とか一般論は言えても、個人個人の内面に踏み込む話は難しい。積極的に病院に来ない人への対応はもっと難しい」と重ねた。

2009年3月19日

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