2007年5月7日 掲載
 
松井、日米通算2000本安打 プロ15年目で達成 失策から記録訂正「印象に残る」 偉業に会心の笑み
 

名球会入りを果たし、名球会会長の金田正一氏(左)からジャケットを着せてもらい、笑顔を見せる松井選手=6日、ニューヨーク(時事)
 【ニューヨーク支局6日杉山圭一郎】ヤンキースの松井秀喜選手はヤンキースタジアムでのマリナーズ戦に「6番・左翼」で先発出場した。第3打席でラッキーな二塁打を放ち、日米通算2000本安打を達成。松井は「いやあ、もう素直にうれしいですよね」と声を弾ませ、プロ生活十五年目での偉業に会心の笑みを浮かべた。

 記念の一打は六回の第3打席に生まれた。フルカウントから当てた打球はレフトへの浅いフライ。左翼手のイバニエスはすぐに落下点に入ったが、太陽で打球を見失って捕球できず、松井は二塁に達した。プレー直後、公式記録員はレフトの失策としたが、七回表になって二塁打と訂正し、記録達成となった。七回の打席では2001本目の安打を放った。

 エラーの判定がヒットに逆転したのは、約十五分後だった。メジャーリーグでは判定が変更されることは珍しいことではないが、節目の一本がこれに該当するとは松井も驚いた。

 ヒットだと知ったのは七回表の守備中、危険球をめぐって乱闘騒ぎが起こった直後だった。中堅手のデーモンが電光掲示板を見て、ヤンキースの安打数が一つ増えていることに気づいた。松井は「ジョニー(デーモン)が来て、しゃべったら、『ヒットに変わってるよ』って言われた」と振り返った。

 打った時は「ヒットだと思ってた」。だが、自らの思いとは逆に「エラーと出た時は、しょうがないかなあと思った」。そして、結局はヒットの判定。松井は「逆に印象に残ると思います。普通にヒット打つより、よほど難しいですよ」と節目の一打を笑った。

 さて、記念のボールはどこへいったのか。最初にエラーと判定されたため、行方知れずとなったよう。これには松井も「どっかにいっちゃったでしょ。しょうがないですね」。笑いが止まらない会見となった。

 晴れて日本プロ野球名球会の一員となった松井。試合後、金田正一会長からメンバーの証しである紺色のブレザーを着せられ、「おめでとう。2000本なんて、こまい、こまい。2500本、3000本までいけるぞ」と豪快に祝福された。

 松井も2000本は通過点にしか考えていない。3000本安打は想像できるかと聞かれ、「できなくはない気がします」と答えた。だが、「それを目標に置くことはない。毎日毎日、良いプレーをできるようにしていきたい。これからもね」。しっかりと足元を見つめ、松井は不動心で歩みを進めていく。

 
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