米AIG、幹部に賞与の一部返還を要請=CEO

2009年 03月 19日 09:47 JST
 
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 [ワシントン 18日 ロイター] 米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)のリディ最高経営責任者(CEO)は18日、同社幹部に合わせて1億6500万ドルの賞与を支給した問題について、会社の崩壊を避けるためだった、と説明した。

 リディ氏は、政府がAIG支援に乗り出した昨年9月、会長兼CEOに就任した。CEOは、10万ドル以上の賞与を受け取った幹部に対して、少なくともその半分を返還するよう要請したことを明らかにした。

 リディCEOは、下院の公聴会で、賞与支給を決定した理由について「会社が無秩序に崩壊していくのを食い止めようとしたため」と述べた。CEOによると、一部の幹部はすでに、賞与を全額返還している。

 AIGは政府から最大1800億ドルの資金支援を受ける一方、幹部に多額の賞与を支給したことで、国民や議員から激しい非難を浴びた。

 CEOは、2兆7000億ドルの複雑な金融商品の処理にあたり、専門知識を持つ人材を引き止めるため、賞与は必要だった主張した。処理すべき金融商品は現在は1兆6000億ドルになっているが、担当幹部が賞与を返還して退職すれば、状況はさらに厳しくなる、としている。

 オバマ大統領は「国民の怒りは当然。私も憤りを感じる」と述べた。

 民主・共和党の複数の議員はAIGに賞与に関する詳細情報を開示させる意向を示しているほか、賞与に対する高率の課税を提案している。

 下院金融委のフランク委員長はリディCEOに対し、賞与を受け取った幹部の氏名公表を迫ったが、CEOは社員の安全を理由に拒否した。

 3人の共和党議員は、上院銀行委に、賞与に関連した文書提出を求める召喚状送付を要求。下院司法委は賞与奪回に向けた法案を承認した。

 ニューヨーク州のクオモ司法長官は、CEOが賞与の半分の返還を求めたことについて「少なすぎる、遅すぎる」と批判した。長官は、賞与を受け取った幹部の指名を公表するよう、AIGに召喚状を送付した。

 
 
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