【講演要旨】2004年2月10日付朝刊の「朝日新聞」に「日本人のガンの3.2%は診断用X線が原因」と題する記事が掲載されていましたが、その内容は、英国の医学誌『ランセット』に掲載されたオックスフォード大のBerringtonらの論文によるものであり、日本人のガン死は、病死者3名に1名の割合になっているために、3.2%という数値は、7587件に相当しており、大変大きな数字であって、社会的に留意しなければならない深刻な問題と受け止める必要があるにもかかわらず、悪いことに、被ばくリスクに対して、医師も患者も意外と無神経に対応していて、社会制度として医療被ばくの履歴を残しておらず、歯の治療や骨折等、気軽にX線検査を繰り返していますが、たとえ、局所的な被ばくであっても、記事のように、大きなリスクが回避できず、それどころか、最近では、ガン治療に、積極的に、X線のみならず、原子炉からの熱外エネルギー中性子(原子力機構JRR-4の熱外中性子ホウ素捕獲療法による脳腫瘍治療、本欄バックナンバー参照)、高エネルギー加速器からの陽子や重イオン(放医研重イオン加速シンクロトロンの炭素イオン照射による各種ガン治療、本欄バックナンバー参照)を採用しておりますが、それらの"放射線治療"というのは、そのまま放置すれば、半年しか持たない命を、放射線でガン細胞を破壊することにより、治療費300万円の費用で平均2年間の延命を図ることを目的としており、今のところ完治療法にはなっておらず、その一番の原因は、もし、全身被ばくならば、半致死に至る2-3Gy・Eq線量当量(線量Gyに放射線の種類による生物学的効果の効き目の相違を考慮したエネルギー依存の当量係数をかけた値)をガン患部の局所的に照射するため、しかも、ガンを完全に破壊するため、ガンの大きさよりも小さい空間領域への照射が許されず、どうしても、ひとまわり大きい空間領域に照射しなければならず、その結果、どうしても、放射線照射によって、健全な細胞まで破壊してしまい、そのため、それが原因でわずかなガン化が生じ、時間が経つにつれて、さらに大きくなり、やがて、2年か数年経つと、そのガンによって、生命を左右するような事態に至り、完治にならず、しかし、今のところ、効果的な数少ない延命策と位置付けられているため、拡大の一途をたどっていますが、本当は、被ばく低減化を図らなければならず、そのためには、透過力の強い中性子やX線やガンマ線の利用ではなく、ガンの大きさ程度の飛程に留まる高エネルギー陽子や重イオンの利用が好ましく、被ばく低減化は、社会的要請であり、ぜひ、そのような方向付けされた研究推進を期待しています(2009年3月8日付朝刊の「朝日新聞」に「放射線治療3-5日に」と題する記事が掲載されていましたが、その内容は、乳ガンの治療に、イリジウム192(原子炉で天然のイリジウム191の熱中性子捕獲反応で生成する半減期74.0日で、316keV, 488keVのガンマ線を放出する放射性核種、工業用非破壊検査によく利用されます)のガンマ線を2-3Gy・Eq(線量当量)も照射する"放射線治療"の例が紹介されていましたが、いくら胸部だけとは言え、透過力の高いガンマ線だけに、ガン患部以外の周囲の大きな空間領域への影響が大きく、あまりの高い線量当量に、むごたらしくて、狂気の世界と映り、とても、直視できませんでした)。
【講演要旨】私は、時々、テレビのバラエティ番組で持論(未確認飛行物体や霊の存在の否定等)を展開している大槻義彦先生(東京教育大理学部物理卒、東大大学院数物系研究科修士課程修了、東大理学部助手、東大より理学博士学位、同専任講師、早大理工学部助教授、同教授、同名誉教授、同客員教授、啓蒙科学月刊誌「パリティー」編集長)の勇姿を観ますが、物理研究者らしく、真面目で(真面目すぎてバカ真面目)、良く勉強しており、大変誠実な人格が良く滲み出ていて、大変良い印象を持ち、特に、専門の物理学の知識を駆使して、徹底的に、伝統科学の範囲内で、確実な議論を展開する手法には、共感し、強い信頼感を持ち続けてきましたが、私は、十代の頃からの漠然とした一般的知識ではなく、意識的に、最近(本格的には2009.1.15以降)、東大大学院人文社会系研究科で神学(ユダヤ教、ヒンドゥー教、キリスト教、イスラム教等)や宗教(仏教、儒教)を学ぶようになってから(世の中では両者を含めて宗教と表現しています)、大槻先生の世界観(物質観や宇宙観等)に物足りなさを感じるようになり、具体的に言えば、議論に必要な半分くらいの知識しかなく、物理学ですべてを説明できるという世界観から、神学や宗教まで含めた知識を駆使した議論が必要なように思えてきており、そのことは、何もこれまでの大槻先生の議論の内容や仕方を全面否定するということではなく、もう半分の世界をどのように受け止め、説明するかという単なる問いかけにすぎませんが、たとえば、具体的な問題として挙げれば、大槻先生は、ブログや著書等で、テレビ朝日「オーラーの泉」にレギュラー出演しているスピリチュアルカンセラーの江原啓之先生(和光大文学部芸術学科中退)の発言内容をインチキとして、徹底的に糾弾していますが、確かに、江原先生の表現の中には、テレビスタジオでの限られた時間内での表現であったり、ゲスト質問者からの予期しない突発的な質問での表現であったり、諸々の状況の中での表現であるため、また、一般聴衆相手のバラエティー番組の性格上、あまり学術的な表現ができず、簡潔に、時には、極論したりするため、些細な言葉尻をつかまれ、あげ足取りされているように思えますが(時には、明らかに間違った解説もしていますが)、江原先生の世界観は、基礎的な仏教の思想体系を採り入れており、決して、大筋において間違ったことではなく、大槻先生が神学や宗教学の思想体系を受け入れていないための対立点と解釈でき、おそらく、大槻先生は、旧約聖書や新約聖書の記載内容(いまでも分からないこともあり、歴史実証学と聖書解釈学の立場から研究されています)、それから、仏教の経典の記載内容(霊や輪廻等)において、物理学で説明できないことをすべてインチキとして排除しているように推察できますが、旧約聖書や新約聖書や仏教経典等は、そのように解釈するのではなく、史実と物理学で説明できない世界を哲学で結び付けているのであって、そのことを否定したならば、神学や宗教は、成立せず、価値を失いますが、実際には、そのようになっておらず、神学や宗教の体系は、未熟な人間に対する救済思想として、人間倫理と社会倫理を強調したものであって、人間が体系化した最も奥深い最高峰の哲学の世界なのです(世の中にあるものは、科学的で実利的なことばかりでなく、非科学的でも、人間の心を癒し、快くし、生きる勇気をわき起こすものもあり、たとえば、占いや宗教等にはそのような側面もありますが、神学や宗教を研究対象としている私としては、そのような側面を積極的に支持する立場にはありませんが、それでも、人間救済のひとつの方法であるとすれば、大槻先生のように、完全否定するつもりもありません)。
三つの事務所の事業のうち、定期的に開催している理工学と人文社会学にかかわる学術セミナーについては、通称"桜井学校"と呼んでおり、目的は、(1)教育内容と教育法の研究及びその成果をまとめて学会論文誌等の査読付論文誌へ原著論文の投稿(本欄バックナンバー参照)、(2)理論や計算演習(本欄バックナンバー参照)をとおして専門家の養成等に置かれています。理工学と人文社会学にかかわる学術セミナー(開催時間10:00-16:30)は以下の18種類です。
(A)講師
桜井淳(B-④のみ水戸事務所スタッフ1名が支援)
(B)人文社会学
①一般哲学
②科学技術社会論
③技術論Ⅰ(科学技術哲学)←開催準備中
④弘道館・偕楽園・千波湖・千波公園・桜山公園・徳川博物館の歴史・文化・科学史
(C)理工学
①モンテカルロ基礎理論
②(高速PCによる計算演習)モンテカルロ計算コードMCNPによる中性子・光子遮蔽安全解析
③(高速PCによる計算演習)モンテカルロ計算コードMCNPによる臨界安全解析
④(高速PCによる計算演習)モンテカルロ計算コードMCNPによる中性子・光子遮蔽体深層透過安全解析
⑤(高速PCによる計算演習)モンテカルロ計算コードMCNPXによる高エネルギー中性子遮蔽安全解析
⑥(高速PCによる計算演習)モンテカルロ計算コードMCNPによる中性子ストリーミング安全解析
⑦(高速PCによる計算演習)モンテカルロ計算コードMCNPによる中性子・光子スカイシャイン安全解析
⑧(高速PCによる計算演習)モンテカルロ計算コードMCNPによる中性子・光子原子炉炉心安全解析
⑨機器・配管等破壊のメカニズム(原発事故故障分析論)
⑩核燃料サイクル施設の核的安全性
⑪原発耐震安全性
⑫浜岡訴訟判決書
⑬自然エネルギー利用技術と短中長期エネルギー政策←開催準備中
⑭技術論Ⅱ(工学理論)←開催準備中
(D)開催場所(水戸事務所の場合)
①水戸市市民会館会議室
②桜井淳水戸事務所会議室
③申込者組織会議室(出張セミナー)
(E)申込先及び申込法(水戸事務所の場合、事務所の電話・ファクシミリ・メール・住所は世の中に公開済み)
①電話
②ファクシミリ
③メール(事務所メール、あるいは、本欄右端のメール送信機能(受信者が開示操作をしない限り公開扱いにはなりませんので何の支障も生じません))
④郵便
(F)申込者報告事項(水戸事務所の場合)
①所属組織名・所属部門(組織に所属していない場合にはそのことを明記)
②住所
③連絡先(電話・ファクシミリ・メール・住所)
④専門(分野及び経験年数)
⑤参加目的
(G)参加者決定(水戸事務所の場合)
①参加申込者に対し、セミナー事務局担当者からメールでいくつかの質問をして、的確な回答をした者のみ参加許可
(H)開催案内
①日本原子力学会メーリングリスト(約4700名対象)
②本欄
(I)年間総開催回数
約50回
(J)過去に学会論文誌等掲載済み関係原著論文
本欄バックナンバー参照
(K)過去に企画・編集済み関係学術成果報告書
本欄バックナンバー参照
【講演要旨】以下に述べる視点は、一般論であって、特定の人達への感想ではなく、・・・・・・、人間の今の死因の三分の一は、ガンであって、その意味するところは、昔の主要な死因が医学や医薬の進歩によって時代と共に変化しているために相対的に少なかったガンですら相対的には主要な死因として残っているということであり、ガンは、今では誰でもかかるごく普通の病気であって、あえて、公表しなければならないほどの難病でも学術的な価値があるわけでもないにもかかわらず、著名人は、ガンになると、何を錯覚してか、マスコミに向けて、"ガン宣言"をしていますが、いったい、何様のつもりでそのようなことをしているのか、私は、それらの人達の時代錯誤と社会認識の低さに違和感を持っており、世の中には、良い人もいれば悪い人もおり、頭の良い人もいれば悪い人もおり、勤めていれば、快いこともあればそうでないこともあり、ビジネスをやれば、儲かることもあれば損することもあり、軽い病気のみならず難病にかかることもあり、一般論として表現すれば、"雨も降れば風も吹く"ということであって、いずれもごく普通の自然の成り行きにすぎず、釈迦(本欄バックナンバー参照)の教えに則り、仏教の経典に則り、ごく自然に受け入れ、対応すれば良いのであって、つまらない人間が、世の中に向かって、鐘や太鼓を叩いて、注意を喚起するようなことでもないでしょうが、人間の愚かさの一端がさらけ出されており、こっけいにすら感じます。
「第4回弘道館・偕楽園公園の歴史・自然探訪セミナー」開催案内-新緑シーズンコース-
(1)主催 桜井淳水戸事務所(代表 桜井 淳)
(2)実施概要 水戸市には、市街地隣接公園としては、ニューヨーク市セントラルパークに次ぎ、世界第2位の面積を有する偕楽園公園(偕楽園・千波湖・千波公園・桜山公園からなる周囲7kmの複合公園)と江戸時代末期に開設された学問所の弘道館があり、観梅期・桜期・新緑期・紅葉期に、それらの歴史をたどり、7kmの自然探訪を行います。千波湖わきの桜川には、秋頃、太平洋から那珂川を経て、鮭がさかのぼります。水戸市在住30年(偕楽園公園は毎日の散歩コース)の桜井淳所長が学術文献(水戸市立博物館『千波湖の自然』(1987)、名越時正『水戸藩弘道館とその教育』(茨城県教師会、2007)、鈴木英一『水戸弘道館小史』(文眞堂、2003))を基にして歴史を語り、自然探訪の案内役を務めます。東京から特急で約1時間の水戸駅、歩きやすい服装と靴でご参加ください。
集合場所 水戸駅 10:00
10:00-12:00 弘道館(徳川斉昭が江戸末期開所の学問所)の展示品見学と歴史・自然探訪
12:30-13:00 千波湖(2万年前にできたとされる)の歴史・自然探訪
13:00-14:00 偕楽園(徳川斉昭が江戸末期開園)の歴史・自然探訪
14:00-14:30 桜山公園の歴史・自然探訪
14:30-15:30 徳川博物館入館
15:30-16:30 千波公園の歴史・自然探訪
16:30-18:00 自由討論
(3)担当者 桜井 淳と桜井淳水戸事務所スタッフ1名
(4)配布資料 桜井作成資料等
(5)応募資格 弘道館・偕楽園公園の歴史と自然に興味を持っている者。
(6)定員 20名
(7)実施日時場所 2009年5月9, 16, 23日(土)
(8)申込先 桜井淳水戸事務所セミナー事務局
(9)参加費 10000円