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博物館頓挫で産業資料2万点余廃棄へ…大阪府など決定万博記念公園(大阪府吹田市)に建設構想があった「国立産業技術史博物館」用に、大阪府などで作る協議会が収集した発電所のタービンなど、江戸時代以降の産業資料2万数千点が、一度も公開されないまま、廃棄処分されることがわかった。構想はバブル経済崩壊後に頓挫し、公園内の旧万博パビリオン・鉄鋼館に保管されていたが、16日にも処理業者による搬出作業が始まる。専門家らは「日本のものづくりの歴史を語る貴重な資料。保存すべきだ」と批判している。 府、大阪市、大阪商工会議所、日本産業技術史学会で作る同博物館誘致促進協議会が6日、廃棄処分を決定した。協議会は1986年に設立されたが97年以降は、休眠状態になっており今月末で解散する。 資料は、関西電力や東京農工大など約30の企業や大学、個人から寄贈されたもので、江戸時代の鋳物工場で使われた木製の人力クレーンや、大阪砲兵 協議会は、博物館構想が頓挫後、資料の受け入れ先を探していた。しかし、鉄鋼館が、万博資料館「EXPO’70パビリオン」として改修されることになり、保管場所がなくなった。 兵庫県尼崎市が、かつて同市にあった発電所の部品を引き取り、公開を検討するほか、大阪大も一部を受け入れるが、大部分はスクラップとして処分される見通しだという。 事務局の大阪商工会議所は「万博記念機構の厚意で無償で保管してもらってきた。倉庫を借りれば年1000万円以上かかり、保管を続けることはできない」と説明。大阪府も「財政難で新たな府費投入が許される状況ではない」とする。 一方、廃棄処分に反対した同学会の三宅宏司会長(武庫川女子大教授)は、「資源もエネルギーもない日本が先進国入りした理由を表す物証。他にはない物も多く、寄贈してくれた方々に申し訳ない」と話す。 文化庁は「資料の価値が十分周知されていなかったため、引き取り手が現れなかったようだ。廃棄処分は極めて残念」としている。 (2009年3月13日 読売新聞)
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