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ネコギギの定着を確認 |
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10月31日、川底に潜ってネコギギの稚魚を慎重に放流 |
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設楽ダム建設によって生息環境に大きな影響が予測される国の天然記念物・ネコギギの移植に向け、国土交通省設楽ダム工事事務所はこの夏、繁殖に成功。体調4センチ大に成長した稚魚100匹を放流し、1割程度定着していることを確認し16日、公表した。豊川水系では初めて。設楽ダム建設によって生息地のおよそ3分の1が水没して失われることから、保全策として移植が考えられており、第一歩を踏み出したことになる。
ネコギギは設楽ダム環境影響評価で、最も大きな影響を受けるとされ、シンボル的な存在。同事務所ではダム建設によって生息地を失うネコギギを捕獲して移植する方針を打ち出し、所管する文化庁および環境省から承諾を得た。
そのため昨年1月から作業に取り掛かり、夏に親魚を捕獲し、愛知県水産試験場の協力を得て人工繁殖させる野外実験を開始したが、初年度は失敗。2年目の今年7月、捕獲した親魚25匹(オス13匹、メス12匹)のうち、2ペアが産卵、ふ化に成功し、稚魚約240匹が元気に育った。
そのうち4センチ大に育った100匹を10月31日午後2時ごろ、野外実験として、設楽ダムえん堤建設予定地下流の豊川の渕に放流した。先住のネコギギがおらず、生息できる可能性が高い場所だ。ダイバーが稚魚を入れたビニール袋を持って川底に潜り、渕に放した。5日後の今月5日午後8時ごろ、生息状況を確認したところ、1割程度確認できた。
同事務所は「1割でも流されないで生息していれば、定着したと考えたい。今後、モニタリングを続けるが、移植の第一歩は成功したと思う」と話す。
説明では、捕獲した親および稚魚はもう少し飼育し、観察を続ける。愛知県内では、碧南海浜水族館で矢作川のネコギギの人工飼育・放流に成功しているが、豊川では初めてという。
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