2009年3月10日7時3分
愛知県西尾市の汚職事件で、名古屋地検特捜部に受託収賄容疑で逮捕された同市長の中村晃毅容疑者(71)が「自分は潔白で、起訴されても辞職しない。市議会が不信任決議を可決した場合は、議会を解散することになる」と話していることが9日、関係者の話でわかった。容疑を否認している市長は10日、勾留(こうりゅう)満期を迎える。
市長の意向は市議会(定数24、欠員1)の幹部には伝えられており、10日の会派・党代表者会議で、岡田隆司議長が説明するという。議会では市長の自発的辞職を求める意見が大勢を占めており、不信任決議案を提出する動きもある。ただ、「選挙は避けたい」との議員心理が働くことも予想され、取り扱いにも影響が出てきそうだ。
市議会では先月26日、市長辞職勧告決議案が与党会派の自民クラブ(12人)の反対で否決された。残る11市議は同決議案に賛成していた。
自民クラブでは現在、「市長の辞職を促す」「起訴された場合でも有罪とは決まらないから不信任決議には反対」「これ以上は守りきれない」など意見が分かれている。
野党側も同様に「議会解散に持ち込まれるのは納得できない」「議会解散につながるならば決議案に賛成できない」などと意見が分かれており、対応に苦慮している。
辞職勧告決議案を提案した鈴木規子市議(無所属)は「議員なら肉を切らせて骨を断つぐらいの覚悟が必要。解散を怖がっているようでは情けない」と話している。