東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

対AIG オバマ大統領 『巨額ボーナス取り戻せ』

2009年3月17日 夕刊

 【ワシントン=古川雅和】オバマ米大統領は十六日、ホワイトハウスで演説し、税金による救済を受けた米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)による幹部社員らへの計一億六千五百万ドル(約百六十億円)のボーナス支給問題について、「納税者を侮辱する行為だ」と激しく批判。合法的手段で「支払いを阻止するようガイトナー財務長官に指示した」と述べた。

 大統領は演説で、AIGが破綻(はたん)せずに済んだのは、景気低迷で生活が苦しくなっている国民が支払った税金を使い経営支援を受けたからだと説明。それにもかかわらず、昨年の金融危機のきっかけの一つをつくった金融派生商品のトレーダーら幹部職員が巨額のボーナスを受け取ることについて、「理解できない」と語気を強めた。

 AIGは昨年九月以来、四回の公的資金による支援を受け、事実上の政府管理下に置かれている。ただ、ボーナスの支払いは経営危機に陥る前の雇用契約に盛り込まれていた。

 大統領は同日、中小企業の経営支援のため、公的資金を受けた大手金融機関二十一社に対し、中小企業向けの融資状況を毎月報告することを義務づけることを明らかにした。

 【ニューヨーク=阿部伸哉】AIG幹部の巨額ボーナス問題で、ニューヨーク州のクオモ司法長官は十六日、AIG側が幹部約四百人に総額一億六千五百万ドル(約百六十億円)のボーナスを既に支給したと回答したことを明らかにした。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が報じた。

 クオモ長官は、政府の救済措置を受けながらボーナスを支給するのは詐欺罪に当たる可能性があるとして、同社に対し報酬に関する資料を求め召喚状を出す方針。

 同紙によると、AIGは十六日、問題のボーナスは十三日に既に支給したとクオモ長官に回答。クオモ長官は同社の報酬について、幹部社員名や支給状況などの情報提出を求めている。

 

この記事を印刷する