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先に栗原電鉄の形式は特殊である事を説明致します。
まず、719系のトップである「クモハ719−1」をJR代表として挙げます。 最初のカタカナ3文字のクとモは運転室とモーターのある車両(制御電動車)となり、ハは普通座席車となります。数字の百の位は電気方式を表します。1〜3:直流/4・5・6:交直流/7・8:交流で、9は試験車両の番号となり、十の位は用途を表します。0:通勤型/1〜3:近郊型/4:事業用/5〜7:急行型/8:特急型/9:試作型で、一の位はグレードです。719系の前には717系、715、713、711とあり、719の上には721系、E721系とあります。そして(ー)最後の1ですが、ナンバーです。これが編成として成立するならば、○-1編成 となります。 このJRとはちょっと違い、今回説明するM15型は、15は全長が15mだからというのと、 M=Motor(モーター)の略で電動車を意味しますが、 両側に運転室があるならばMC15となります。 しかし、栗原電鉄の電車は運転室+電動車か、運転室+付随車のどちらかしかありません。 また、元車掌に聞いた話によると・・・MC15とは、M15とC15の2両編成の列車を指す、 いわば業界用語として使用されていたみたいです。 M15型は、昭和30年9月26日に、連絡貨物輸送を日本国有鉄道(現・JR東日本)の石越駅で中継するために、762mmから1067mmに改軌された際、1067mm用の電車が必要になったために投入した車両です。 外観はナニワ工機(現・アルナ工機)で軽量加工造を採用され、製造されたノーシル・ノーヘッダーのボディ、住友金属で製造されたオイルダンバー使用のFS21形台車、床下機器はオール三菱電気、1955年(昭和30年)としては最新設計の車輌であり、室内の照明には全国の中小私鉄業界で初めて蛍光灯が、直列に配置され、蛍光灯には格子状のカバーが掛けられ、手の込み様が伺える地方鉄道電車としては最新のデラックス車でありました。 また、M151〜M153の合計3両をナニワ・住友・三菱の三社共同で製造して入線されました。 なお、栗原電鉄での形式が車体全長を形式として付ける方式であるため、このM15とは全長が15mとなっているので付けられた。 塗装は製造当時は深緑と肌色のツートンカラーで、4年後の1959年にはそのツートンから明るい塗装へ変更され、今の塗装に近い朱色と山吹色、屋根にはグレー色の塗り分けになり、行き先方向器窓下から、運転室横の窓に設置され、 1990年の全般検査時に屋根部分が紺色に、山吹色が肌色に朱色部分が濃い色に改められ、塗り分けの湘南デザインは変わらなかった。 そしてM15型はくりはら田園鉄道転換まで約40年の長きにわたり活躍され、 1995(平成7)年4月1日付で第三セクターくりはら田園鉄道へ転換したと同時に廃車されたが、 M152はED201,C152とともにチャチャワールド石越へ移り、休憩室として第2の人生を送っており、 ごく最近となり塗装を新たにされたと言います。 一方、M151、M153も解体されずに、長年若柳駅構内に留置されておりますが、 10年以上も屋外に留置されているため、塗装等の剥がれが目立ってきている。 M15 諸元表 製造年度/会社 1955年(昭和30年)/ナニワ工機 動力台車 住友金属製 FS21型台車 電動機 三菱電気製 MB330Ar 出力 40×4 160kW 制御器 三菱電気製 UP731 制動装置 SME 全長 15700mm(連結器込み) 幅 2700mm 全高 4080mm(パンタ折りたたみ時) 4680mm(パンタ上昇時) 自重 27.0t
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