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【法廷から】若きプロボクサーはなぜ警官を殴ったか (1/2ページ)
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将来を嘱望されたプロボクサーが警察官にけがを負わせたとして法廷に立った。公務執行妨害と傷害の罪に問われた男性被告(20)の初公判を27日、東京地裁で傍聴した。
起訴状によると、被告は平成20年4月11日、東京・巣鴨で酒に酔い、職務質問をしてきた警察官の顔をこぶしで殴るなどして1カ月のけがを負わせた。罪状認否で被告は起訴事実を認めた。
検察側の冒頭陳述などによると、被告は中学校を卒業後に上京し、建設会社で働きながら、ボクシングの世界チャンピオンを目指していた。戦歴は4戦3KO勝ち1分け。警察官を殴った日は、被告が初めての引き分けに終わった試合の翌日だった。
昨年12月にも酒に酔って暴れる騒ぎを起こしていた。傍聴席では新潟から上京してきた被告の両親が、被告人席を心配そうに眺めていた。
情状証人として被告の父親が証言台に立った。
弁護人「犯行を知ってどう思った?」
父親「去年の12月に同様の事件があって、もう酒はやらないと話していた。まさかこうなるとは思わなかった」
弁護人「その時はどんな注意をした?」
父親「プロボクサーなので酒をやめなさいと」
弁護人「今回は前回と違ってどうやって監督する?」
父親「ジムの人にも伝えて、協力してもらう。新潟に住んでいるが、自分も行ける限り行く」
前回の騒ぎのとき、被告はジムに報告しなかったという。この点を検察官が追及した。