嶋田(富山市出身)ついに夢舞台 6月、ボクシング世界戦
2008年04月22日 08:03
富山市出身のプロボクサーで、世界ボクシング協会(WBA)スーパーフェザー級8位、嶋田雄大(ヨネクラ)が六月十二日に東京・日本武道館で同級王者、エドウィン・バレロ(ベネズエラ)へ初挑戦することが決まった。バレロの試合をプロモートする帝拳ジムが二十一日、発表した。嶋田は現在36歳で、王座を獲得すれば国内選手の最高齢世界タイトル奪取記録である35歳を更新する。
バレロと当初、対戦する予定だった選手がひざの故障のため挑戦を辞退。代わりの挑戦者として嶋田が選ばれた。
嶋田は26戦22勝(15KO)3敗1分け。平成十四年三月に日本ライト級王座を獲得し、5度防衛。十六年末に王座を返上し、世界挑戦を目指していた。
バレロは十八年八月に王座を獲得した26歳。デビュー以来18戦連続1回KO勝利の記録を含む、23戦23勝23KOの戦績を誇るハードパンチャー。今回が4度目の防衛戦。
■王者バレロに挑む
待ちかねた吉報がついに訪れた。世界ボクシング協会(WBA)スーパーフェザー級8位、嶋田雄大(ヨネクラ)の世界タイトル初挑戦が21日、決まった。世界戦を目標に日本ライト級タイトルを返上して3年余り。ついに夢のリングへたどり着いた。相手は23戦全KO勝利の怪物王者、エドウィン・バレロ(ベネズエラ)。競技人生最大の強敵を前に「ベルトを奪うことしか考えていない」と嶋田の闘志は燃え上がるばかりだ。決戦は6月12日、東京・日本武道館。悲願のタイトル奪取へ嶋田は一気に突き進む。(山岡一成社会部記者)
嶋田は卓越したディフェンス技術とノーモーションの左ジャブを武器とする国内屈指の技巧派。日本タイトルを5度の防衛し、平成16年末に「国内に敵はいない。あとは世界戦」とベルトを返上したが、ここからが長かった。
ライト級と前後1階級の王者に挑戦のオファーを出したものの、交渉は難航した。世界戦の内諾を得ても王者自身が王座から陥落したほか、18年秋には世界戦が内定した直後に嶋田自身がこぶしを痛めて挑戦を辞退するなどの不運に見舞われ、気がつけば王座を返上してから3年半近くが過ぎた。その間にこなした「世界前哨戦」は実に7度。東洋の上位ランカーにまったくボクシングをさせず、すべてKOでリングに沈めた。「アジアに敵なし」を証明する一方で、なかなか世界へ挑めない現状に悩むこともあった。
だがあきらめなかった。「世界の夢は思い定めたもの。心が折れそうになっても、腐っている暇はないと自らを奮い立たせた」と振り返る。
5月に世界上位ランカーとの試合を組んでいたが、今回の挑戦決定でその試合はキャンセル。今後は怪物王者を倒すための過酷なトレーニングと減量に専念する。圧倒的な攻撃力を誇るバレロだが、「国内で勝てるとしたら嶋田だけ」というのは多くのボクシング関係者の見解だ。
「自分の力を信じて戦う。日本武道館は日本タイトルを奪った縁起の良い会場。今度も最高の結果を残す」。待ちに待ったリング。嶋田にはベルトしか見えていない。
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