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不況にのまれるホームレス 雑誌減り…空き缶暴落「並び」もない (2/3ページ)
このニュースのトピックス:鉄道マニア
缶拾いをする別の男性(60)は「金にならず、すでに缶集めをやめた人も出ている」と語る。
1月、荒川の河川敷にあったアルミ製柵を大量に盗んだ男(61)が逮捕された。男は缶拾いで生計を立てていたが、警視庁によると「五輪後売値が安くなり、缶を拾うのが面倒になった」と供述した。
≪消える露店≫
缶集めと並ぶホームレスの収入源に古雑誌集めがある。電車の網棚やゴミ箱から集めた雑誌を露天商が1冊50円で買い取り、ターミナル駅周辺で1冊100円強で売る。「新宿だと30カ所あった雑誌の露店が5、6カ所に減った」(元ホームレス男性)という。
警察が道交法違反で、露店の摘発を強化していることが背景にあるが、実は街の書店からの通報が少なくない。「ただでさえ、雑誌の売れ行きが良くないなか、発売日の翌日には半値で露店に並べば、営業に支障をきたすからだろう」(警視庁幹部)。
雑誌の供給が難しい事情もある。テロ対策として鉄道各社は、不審物を投入されないよう駅のゴミ箱の撤去と再設置を繰り返し、現在は缶や雑誌のサイズに合わせ投入口を小さくし、鍵を掛けたゴミ箱が一般的で雑誌を集めにくい環境になった。「出版不況で、そもそも電車で雑誌を読む人が減った」(東京メトロ)。
≪相談者殺到≫
「並び」という仕事も減った。ブランド品やゲーム機など新製品の発売に合わせ、業者から雇われ、店の行列に並ぶ仕事だ。業者は手に入れにくい人気商品を買い占め、ネットなどで高値で転売する。