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不況にのまれるホームレス 雑誌減り…空き缶暴落「並び」もない (1/3ページ)
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非正規労働者の契約打ち切りや雇い止めが問題となるなか、不況の波は路上生活者の生計も直撃している。空き缶拾いは北京五輪後のアルミ価格の暴落に直面。出版不況のなか、摘発強化も相まって、古雑誌集めもままならない状況だ。業者から雇われ、店の行列に並ぶ仕事も減った。「ホームレス経済」の深刻な現状を、東京都内で追った。(桜井紀雄、吉原知也)
≪五輪後低迷≫
「アルミ缶の値段は下がり続け、生活が苦しい」。新宿の公園で寝泊まりしている高橋正悟さん(58)=仮名=はそう話す。
職を転々とするうちホームレスになり1年半。空き缶拾いで生計を立てる。公園近くに業者が週3回アルミ缶を回収にくるため、夜通し3日かけて路上やゴミ箱の缶を集める。60キロを集め約2000円を受け取るという。
この稼業を世界不況が直撃した。リサイクル業者によると、中国の金属需要で昨夏には1キロ170円だったアルミ缶価格が北京五輪以降、需要が低迷。今月に入り1キロ40円に下落した。
「コンビニは高くて100円ショップしか行かなくなった」。300円分パンを買って何日か過ごす生活が続いているという。