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桜開花:21世紀末最大24日早く 九大教授分析

今世紀末のソメイヨシノの開花予測。1982~2000年とその100年後の開花平均日の比較。色のついている部分は現在より早くなる地域(九州大・伊藤久徳教授の資料をもとに作成)
今世紀末のソメイヨシノの開花予測。1982~2000年とその100年後の開花平均日の比較。色のついている部分は現在より早くなる地域(九州大・伊藤久徳教授の資料をもとに作成)

 地球温暖化が進むと、桜(ソメイヨシノ)の開花日が今世紀末には最大で4週間近く早まることが、九州大の伊藤久徳教授(気象学)らの分析で分かった。北日本では早まる一方、房総半島や伊豆半島、南九州などでは開花日が遅れ、開花しない地域も出てくるという。25日から開かれる日本農業気象学会で発表する。【江口一】

 ソメイヨシノは九州から北海道南部にかけて分布する。冬の間、最高気温10度以下の寒気に約60日間さらされることで、木が眠りから覚める「休眠打破」と呼ばれる現象が起き、春先の気温の上昇が開花を促す。

 伊藤教授らは、気象庁が開花予想に使う計算モデルを応用、同庁の温暖化予測を基に九州~本州の2082~2100年のソメイヨシノの開花日を予測。エゾヤマザクラが主の北海道とソメイヨシノが咲かない沖縄県は分析対象から除いた。

福岡市では今年3月13日に平年より13日も速く開花を発表=福岡市博多区で2009年3月14日、矢頭智剛撮影
福岡市では今年3月13日に平年より13日も速く開花を発表=福岡市博多区で2009年3月14日、矢頭智剛撮影

 この時期の年平均気温が現在より2.5~3度上昇する想定で計算し、予測期間の100年前に当たる1982~2000年の開花日の平均値と比べた。その結果、東北地方の内陸部や山沿いでは、20~24日前後開花が早まり、全国的にも4日以上早まる地点が多いことが分かった。

 予測通りになると、青森市の開花は現在(平年値4月26日)より最大20日早い4月上旬になり、山形市は24日早く3月下旬と、現在の熊本市(同3月24日)並みに早まる。

 関東から九州にかけての太平洋側は現在と変わらないが、冬の気温が上がり休眠打破が十分でなくなることから、一部地域で4~8日前後遅れ、種子島・屋久島では12日以上遅れると予測。南九州の一部など30地域で満開にならない年があり、5地域では全く開花しなくなると予測した。

 伊藤教授は「気候変動が桜の開花という身近な出来事にも影響を与えることがよく分かる結果で、温暖化防止は緊急の課題だ」と話している。

毎日新聞 2009年3月15日 2時30分(最終更新 3月15日 2時30分)

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