春に

作詞:谷川 俊太郎 作曲:木下 牧子


この気もちはなんだろう
この気もちはなんだろう
目に見えないエネルギーの流れが
大地からあしのうらを伝わって
この気持ちはなんだろう
この気持ちはなんだろう
ぼくの腹へ胸へそうしてのどへ
声にならないさけびとなってこみあげる
この気もちはなんだろう

枝の先のふくらんだ新芽が心をつつく
よろこびだ しかしかなしみでもある
いらだちだ しかもやすらぎがある
あこがれだ そしていかりがかくれている
心のダムにせきとめられ
よどみ渦まきせめぎあい
いまあふれようとする

この気持ちはなんだろう
この気持ちはなんだろう
あの空のあの青に手をひたしたい
まだ会ったことのないすべての人と
会ってみたい話してみたい
あしたとあさってが一度にくるといい
ぼくはもどかしい

地平線のかなたへと歩きつづけたい
そのくせこの草の上でじっとしていたい
<大声でだれかを呼びたい>   ※作曲の際の省略
<そのくせひとりで黙っていたい>
声にならないさけびとなってこみあげる
この気もちはなんだろう


JASRAC作品コード:069-0599-4