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[ワールドサッカーサテライト|ワールドサッカーキング 09.03.19(No.111)掲載]


タイトルへの飽くなき渇望が新戦術移行のきっかけに (1/3)

文=ジョナサン・ウィルソン
超強力な攻撃サッカーでプレミアリーグの主役の座を守り続けてきたマンチェスター・ユナイテッドが14試合連続無失点という「守備のリーグ新記録」を樹立。これは攻撃陣の不振を受けた妥協策の結果か、それとも守備的なサッカーへの本格移行を示すものか。

マンチェスター・Uは今シーズン、クラブ史上2度目となる国内リーグ3連覇、史上初となるCL連覇という偉業に挑む
マンチェスター・Uは今シーズン、クラブ史上2度目となる国内リーグ3連覇、史上初となるCL連覇という偉業に挑む

プレミアリーグの盟主が守備的サッカーへ転換


 マンチェスター・ユナイテッドが新たな局面を迎えようとしている。リーグ3連覇を目指すプレミアリーグの盟主に、かつてのような破壊的な攻撃は存在しない。彼らはエレガントかつ堅実なサッカーで、2年連続の《ダブル》という前人未到の偉業を達成しようとしている。

 ユナイテッドは昨年12月から14試合連続無失点というリーグの新記録を樹立した。守護神エドウィン・ファン・デル・サールは、元レンジャーズのクリス・ウッズが保持していた連続1196分という英国の最長無失点記録を更新。その大記録を1302分まで伸ばしている。

 ゼロ行進を続けた14試合のうち、1-0での勝利は8度、スコアレスドローも2度と、攻撃陣は完全に沈黙していたが、リヴァプールやチェルシーの失速もあり、気付けば首位に浮上。現在は2位リヴァプールに7ポイント差を付け、トップを独走している。

 アレックス・ファーガソン監督は認めたがらないだろうし、自身が意図したものではないかもしれない。しかし、今シーズンのユナイテッドの成績を見る限り、彼らは守備的な戦い方に終始していると言わざるを得ない。  もっとも、自慢のサイドアタックがさび付いたわけではない。26試合で46得点という数字は昨シーズン、ユナイテッドが記録した38試合80ゴールや、今シーズンのバルセローナの24試合71ゴールに比べると、かなり物足りない感はあるが、それでもリーグ最多の数字だ。むしろ、昨シーズンのユナイテッドが常識を超えた破壊力を示したととらえるべきだろう。


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