2009年3月13日17時15分
利用客が低迷している福岡市営地下鉄七隈線(橋本―天神南駅)について、市は13日、26年度と予測していた累積赤字の解消時期を大幅に見直し、43年後の69年度に先送りする収支見通しを示した。この日の市議会で明らかにした。15年度としていた単年度黒字の達成時期も、29年度に見直す。市は「需要予測が甘かった」と認め、「厳しい現状を反映させた」と説明している。
七隈線は、総事業費2811億円をかけて05年2月に開業。当初は1日11万人程度が利用し、10年後の15年度には単年度黒字に転換する計画だった。だが、乗客数は08年度でも6万人にとどまり、07年度決算では七隈線の単年度収支は61億円の赤字を計上。市は計画の見直しを進めていた。
利用客の低迷について、市は「路線が地域に定着するのに時間がかかり、沿線の住宅開発も予想より進んでいない。需要予測が甘かった」と分析。新たな収支見通しでは、11万8千人としていた09年度の1日平均の乗客数見込みを6万5千人に修正。その後は微増し、ピーク時の33年度には9万1千人に達するとした。これまでの計画では、ピーク時は34年度で15万3千人と予測していた。
七隈線以外の空港線、箱崎線はすでに単年度黒字を達成しており、3路線の合算では40年度に累積赤字を解消する見通しという。
08年度に予定していた料金値上げは見送っている。