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総額5兆円 政府・与党が新経済対策

公明新聞:2008年11月2日

太田代表と麻生首相は党首会談に臨み、新経済対策を確認した=10月30日 首相官邸 

公明の主張が反映

太田代表(左)と麻生首相は党首会談に臨み、新経済対策を確認した=10月30日 首相官邸 

 政府・与党は10月30日、世界的な金融危機などから国民生活を守るため、総額5兆円、事業規模で約27兆円の新たな経済対策を決定しました。公明党の主張が随所に反映された主な対策のポイントを紹介します。

定額給付金
総額一括交付で全世帯へ
中低所得者に手厚く、景気効果も迅速

 新たな経済対策の目玉として公明党が主張してきた定額減税は、全世帯を対象にした「生活支援定額給付金」として実施されます。総額2兆円規模で、単年度の措置として2008年度中に給付されます。

 「給付方式」の利点は大きく分けて2点です。第1は、素早い景気浮揚効果が見込めること。第2には、減税では恩恵を受けられない課税最低限を下回る低所得の方も給付の対象になることです。

 例えば、減税方式の場合、所得税減税は早ければ来年2月から始まりますが、住民税減税は税額が確定する同6月以降の実施となり、減税効果が間延びしかねません。給付方式なら総額を一括交付できるため、減税方式に比べ、よりスピーディーに景気刺激効果が見込めます。

 なお、1人当たりの支給額や実施方法など具体的な内容は今後、早急に検討しますが、例えば、全国民一人一人に1万2000円を支給し、15歳未満の子どもと65歳以上の高齢者にそれぞれ1万円を加算する方法ならば、夫婦と15歳未満の子ども2人の世帯では、計6万8000円の支給が見込まれます。

* 公明党は、収入が減少傾向にある中で急激な物価高のために家計が打撃を受けていることから、定額減税の実施を提唱し、8月末に政府・与党間で08年度中の実施で合意していました。

 その後、追加経済対策の策定に向けた議論の中で、自民党側が「給付方式」を提案。これに対し公明党は、党内論議を集中して行った結果、給付方式でも中低所得者に手厚く配慮する定額減税の趣旨は変わらず、かえって定額減税を補強・補完することになるとの意見が大勢を占め、給付方式での実施に合意しました。

雇用
年長フリーターら 正社員化で事業主に奨励金

 雇用対策では、まず働く人の手取り収入増を図ることを念頭に、雇用保険料を引き下げます。

 そして、新たな就職氷河期から若者の雇用を守るため、特に年長フリーターらを正社員として採用した中小企業に1人当たり100万円の特別奨励金を3年間にわたって分割支給(初年度50万円、次年度と次々年度25万円ずつ)する制度を創設します。

 また、地域にマッチした雇用確保のため、3年間の時限措置として、雇用情勢の厳しい道府県に「ふるさと雇用再生特別交付金」(仮称)を創設し、これを活用して10万人の雇用増をめざします。

 一方、介護従事者の処遇改善のため、来年度から介護報酬を改定し3%引き上げます。

 これにより、1人月額2万円程度の給与アップが見込まれます。これに関連し、国費を投入して介護保険料の負担増を緩やかにする措置も行います。

子育て
応援特別手当を支給
妊婦健診14回分を無料化

 子育て支援では、(1)「子育て応援特別手当」(仮称)の創設(2)“待機児童ゼロ”への「安心こども基金(仮称)創設(3)妊婦健診の無料化││を行います。

 子育て応援特別手当は、保育所や幼稚園に通う3~5歳の子どもを持つ家庭に対し、第2子以降から月額3000円を支給するものです。

 また、安心こども基金は、多様な保育サービスを支援するための基金で、この活用で、認可保育所や、保育所と幼稚園の機能を併せ持つ「認定こども園」などの増設、保育ママ増員のための環境整備を推進し、“待機児童ゼロ”をめざします。

 そして、公明党が「安心の出産」へ一貫して完全無料化を訴えてきた妊婦健診について、「望ましい」とされる14回分が無料化されることになります。

中小企業
資金繰り支援へ保証枠など大幅拡大

 中小企業支援については、2008年度の補正予算で年末年始の資金需要に対応できる対策を講じましたが、年明け以降の実体経済悪化にも備える必要があります。

 そこで、中小企業の資金繰りを支援するため、10月31日にスタートした「緊急保証制度」(原材料価格高騰対応等緊急保証制度)の保証枠に新たに14兆円規模の追加を行い、計20兆円規模にまで拡大します。

 また、どんな業種も利用できる「セーフティネット貸付」についても10兆円規模に拡大し、緊急保証制度と合わせて合計30兆円規模に大幅拡充します。

暮らし
住宅ローン減税 延長・拡充
高速道路の料金引き下げ

 暮らしの支援策では、観光振興や物流効率化のため、自動料金収受システム(ETC)を搭載する車を対象に高速道路料金の大幅引き下げを行います。

 地方の高速道路料金は土曜、日曜、祝日は最高1000円に。また、平日の昼間も3割程度引き下げます。また、首都高速、阪神高速など特定路線の料金も引き下げます。

 一方、2008年末に期限が切れる住宅ローン減税については、控除可能額を過去最大規模に拡大するなどの延長・拡充を行います。リフォームや省エネ、バリアフリーなどを自己資金で行う方への投資減税も取り入れ、内需の拡大を図ります。

財源は?

 財源については、将来の子や孫の世代に借金のツケを残さないため、赤字国債は発行しないことが大前提です。

 このため、財政投融資特別会計の準備金(積立金)などの活用のほか、行政のムダを徹底して削ることも含めて財源を確保します。

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