98年3月に腸閉塞(へいそく)の手術をした妻(当時54歳)が、投薬ミスで体幹機能障害になったなどとして、佐伯区の家族3人が、福島生協病院(西区)を運営する広島中央保険生活協同組合に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が11日、広島高裁であった。礒尾正裁判長は「投薬と障害との間に因果関係が認められる」として、請求を棄却した1審広島地裁判決を変更し、計約4100万円の支払いを命じた。
判決によると、妻は術後に心停止し、そのために低酸素脳症などを発症して障害を負った。また、医師が使用上の注意事項に従わずに鎮静剤を連続的に投与したのは過失だとした。礒尾裁判長は「心停止は過失と因果関係がある」と認定した。
病院側は「判決を見ていないのでコメントできない」とした。【矢追健介】
毎日新聞 2009年3月12日 地方版