ニューヨークから垣間見る世界の潮流 |
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ニューヨークへ行くと、世界の動きがよく分かります。ここは世界中から人が集まる、米国で最も活気のある都市。ここで起きていることは、世界全体の変化を象徴します。 さて、このニューヨークで今、注目すべき動きが三つあります。今回は仕事の都合で、ニューヨークを訪れています。現地の様子を見てみましょう。 ◆ ニューヨーク見学のスタート地点は、タイムズ・スクエアです。ブロードウェイと42番街が交差するニューヨークの中心に立つと、何が見えるのでしょうか。 ここは派手なネオンサインに囲まれた場所なのですが、その中で最も目立つのが韓国企業のネオン看板です。すなわち、LG、サムスン電子などの広告です(写真)。 一昔前のタイムズ・スクエアは、日本企業の広告であふれていました。しかし今は全体を見渡してみても、日本企業はほとんどありません。かろうじて東芝が残っているくらいで、あとは全て消えてしまいました。 現在は、各国の企業が入り交じった状態になっています。米国のコカコーラ、英国のHSBC銀行などがあります。しかし、最も目立っているのは韓国勢です。 これは世界の動きを反映した現象だといえます。韓国企業の隆盛は、世界的な現象です。携帯電話、液晶テレビなどの市場では、日本のメーカーを圧倒する勢いです。 ◆ 次に、チャイナタウンの様子を見に行きましょう。ニューヨークの中華街といえば、マンハッタンの地区が有名です。ガイドブックに必ず載っている、観光客に人気のスポットです。 でも、この都市には、他にもチャイナタウンがあります。華僑の人口が増え、マンハッタンの地区が手狭になってしまったため、郊外に第二、第三の中華街が発展しているのです。 今回は、フラッシングという第二の中華街に行ってみます。80年代から発展している地区で、マンハッタンから地下鉄で三十分ほどの距離にあります。 現地の雰囲気は、マンハッタンの中華街とは全く違います。ここは観光客ではなく、地元の人の活気に満ちています。観光客が喜びそうな派手なレストランは皆無で、大衆食堂や食材店が軒を連ねています(写真)。 フラッシングの活気は、世界各地で炸裂する中国パワーを象徴します。中国の台頭に伴い、各地のチャイナタウンは活況を呈しています。二十一世紀の世界では、中国人の動きから目が離せなくなるでしょう。 ◆ 最後に、おみやげを買いに行きましょう。ニューヨークの中心街には、おみやげ屋さんが沢山あります。 売られている品物は、どこの店もほとんど一緒です。中に入ってみると、定番のニューヨーク・グッズが並んでいます。「ニューヨーク」と書かれたTシャツ、絵はがき、チョコレートなど、特に珍しいものではありません。 しかし一つだけ、目新しいものがあります。オバマ大統領の顔写真を付けた「オバマ・グッズ」です。バッジ、ステッカー、マグカップなど、いろいろあります(写真)。 これは前代未聞の現象です。観光みやげに顔写真が付けられた大統領など、過去にいたでしょうか。 米国史上はじめての黒人大統領であるオバマ氏は、米国市民、そして世界中の人々に支持されているようです。何しろニューヨークは、世界中から観光客やビジネスマンが集まる都市です。ここでの人気は、世界レベルでの人気を物語っています。 以上のようにニューヨークは変わり、世界は動いています。ビジネス界における韓国企業の成功、世界規模での中国人の台頭、そして黒人大統領の人気上昇。ニューヨークから垣間見ることができる最新の潮流、数十年前には、誰が予想できたことでしょうか。世界の流れに乗り遅れないように、私たち日本人もがんばりましょう。 (発信日2009年3月15日 No.348) |
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