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【スポーツ】

上村、デュアルモーグルで2冠達成 伊藤、西が五輪内定

2009年3月9日 朝刊

 フリースタイルスキー女子モーグルの第一人者、上村愛子(29)=北野建設=が8日、福島県猪苗代町で開かれた世界選手権猪苗代大会のデュアルモーグル(2人同時に滑る対戦方式)で優勝し、前日のモーグルに続いて2種目制覇を成し遂げた。1999年にデュアルモーグルが世界選手権種目となって以降では、2冠達成は女子のカーリ・トロー(ノルウェー)に続いて2人目。

 決勝で上村に敗れた伊藤みき(21)=中京大、滋賀県日野町出身=、男子で準優勝の西伸幸(23)=白馬ク=がともに初めて世界選手権の表彰台に立ち、来年のバンクーバー冬季五輪のモーグル代表に内定した。伊藤は2006年トリノに続き2度目、西は初出場。

世界選手権女子デュアルモーグルのセレモニーで花束を手に笑顔の準優勝した伊藤みき(左)と優勝した上村愛子=リステルパークで

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◆五輪切符の伊藤、涙はうれし涙に

 悔し涙を1日でうれし涙に変えた。伊藤が主要国際大会自己最高の2位で、2度目の五輪を決めた。「たくさんの人に応援してもらい、ベストな結果が出せた」。モーグル4位に終わった7日夜、「何位でも明日は来る。次につながる」と吹っ切った21歳。輝く明日が本当に待っていた。

 勝った方が五輪代表に内定する里谷との準決勝。重圧を感じる大一番で「目の前のコースを滑ることだけに集中した」と冷静だった。里谷に先着を許したが、ジャッジは焦らず正確にスキーを操作した伊藤を支持した。

 難コースの雪面が緩み、多くの選手が苦しんだ。トリノ五輪金メダルのハイル(カナダ)も転倒し、1回戦で消えた。荒れた展開が味方し、「みきの丁寧な滑りに比べれば、わたしはミスが多い」と上村も認める伊藤の高い技術が光った。決勝で敗れ「愛子さんは速かった」と課題のスピード不足を再認識した。18歳で初出場したトリノ五輪は20位。「前回はラッキーで出られた。今回は早く決まったので、計画的に考えていきたい」。エースの負担を軽くする意味でも、成長著しい2番手の存在は頼もしい。 (栗田晃)

 ■いとう・みき 滋賀・近江兄弟社高時代の06年トリノ五輪に出場。安定感ある滑りで今季W杯の上位に定着し、2月末のボス(ノルウェー)大会で初の3位に入った。中京大。161センチ、51キロ。21歳。滋賀県出身。

 

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