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H先生
比較宗教論の視点から、仏教についても基本的なことは、勉強しています。最近、啓蒙書ですが、久しぶりに、瀬戸内寂聴『般若心経』(中央公論社、1991)を読み直してみました。これは、寂聴尼僧の京都にある私設のお寺である寂庵での11回の般若心経法話をまとめたものです。寂聴尼僧の法話を聞くために、考えられないくらい多くのひとたちが集まっています。東北の山奥の天台寺での法話には、午前中2000名、午後3000名も集まるのですから、奇跡的な数です。これほどひとを集められる著名人はいないのではないでしょうか。これを読むとその意味がよく分かります。寂聴尼僧の法話の魅力を一言で言えば、①寂聴尼僧の人間としての魅力、②生き方の魅力、③知識の豊富さ、④話し方のうまさ、⑤内容の面白さ、⑥ただ面白いだけでなく、その中に、ほんの少しですが、人生の本質が散りばめられており、参加者は、いつ飛び出すか分からないその本質を聞き逃すまいと、注意を集中して、耳を傾けているのです。各法話では、最初の8割くらいの時間は、世の中のことや自身の人生、さらに、釈迦の人生や仏教についてであって、残り2割くらいの時間で、本来の目的である「般若心経」について、解説しています。仏教をこれほど面白く話せるひとはいないのではないでしょうか。感心しました。しかし、釈迦や仏教について、私の知らないことは、ひとつもありませんでした。「般若心経」は、本文266字の非常に短いお経であるために、誰にでもよく分かる内容ですが、解釈の仕方によっては、無限に深い意味が含まれているのでしょう。その内容は、一言で言えば、仏教の本質であるところの"人間いかに生きるべきか"、その指針、すなわち、"好ましい考え方と行い"について、説いたものです。
桜井淳
X先生
核燃料サイクル施設の安全審査においては、具体的には、新燃料貯蔵庫、新燃料輸送容器、使用済み燃料輸送容器、使用済み燃料中間貯蔵輸送容器の臨界安全解析評価において、保守的評価を行うために、実際には、起こりそうもない"最適減速状態"を想定しています。すなわち、それは、単純に、燃料材と減速材の幾何学的配置で決まる条件だけではなく、減速材の状態、具体的には、中性子吸収断面積が無視できない水のような減速材であれば、4℃の水密度最大の条件だけではなく、中性子の水中における吸収効果と減速効果のバランスから、吸収効果よりも減速効果の大きくなる水密度の条件で評価しています。具体的には、水密度の10, 20, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100%の個々の状態で臨界解析(実際の計算には世界的にオーソライズされている計算コードが採用されています)を行い、実効中性子増倍係数keffの変化を検討し、keffの値がピークになる密度を決めます。しかし、その水密度は、あくまでも、保守的評価のためであって、実際には、実現できるような状態ではありません。私は、原子力発電所に設置された新燃料貯蔵庫の臨界安全解析の経験がありますが、"最適減速状態"(この状態でもkeff<0.95の確保が義務づけられています)は、水密度の20-30%の時にkeffが急増するピークが現れますが、その密度は、分かりやすいたとえを行えば、スプリンクラー(実際には設置されていませんが)が作動した時に近いとされています。フランスから日本へMOX燃料が輸送されますが、何らかの不祥事(輸送船沈没、テロ、海賊襲撃等)によって、MOX燃料輸送容器が海中に落下したとしても、"最適減速状態"にはならないでしょう。私の推定では、もし、確率論的臨界リスク解析を実施すれば、輸送容器の海中への落下確率は、大きく見積もっても、輸送期間中に1/100以下、海中落下によって"最適減速状"(この状態でもkeff<0.95の確保が義務づけられています)になる確率は、輸送期間中に1/10000、よって、最終的には、臨界になる確率は、輸送期間中に1/100万分より小さな値となって、実際には、起こらないと考えてよいと思われます。このような考え方は、世界的に、これから本格的に研究されようとしている"臨界リスク解析"という研究分野ですが、行政側と世の中の認識が遅れているため、このような考え方は、まだまだ、受け入れられません。受け入れられる時期は、早くて、10年後くらいでしょうか。
桜井淳