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人工心臓:民間監視団体、厚労省に調査要請 治験中死亡で

 国立循環器病センター(大阪府吹田市)と東京女子医大病院(東京都新宿区)で、治験(臨床試験)として補助人工心臓を埋め込んだ患者が死亡した問題で、民間の医薬品・医療機器監視団体「薬害オンブズパースン会議」は10日、18件の治験のうちこの2件を含め5件の死亡例があったとして、厚生労働省に調査を申し入れた。同会議は「死亡率が高く、機器自体に問題がある可能性がある」と指摘している。

 問題になっている人工心臓「エバハート」は現在承認申請中。治験データは公表されていないが、考案者の東京女子医大准教授が08年に発表した学術論文に、05年5月~08年4月の治験で、判明分の2件とは別に3件の死亡例を報告していた。

 同会議は「審査を待っていると、さらに死亡例が増える恐れがあり、厚労省で調査したうえで安全性について公開の場で検討すべきだ」と要望。開発を担当した医療機器メーカーの代表が考案者の准教授の親族で、メーカーが治験に協力した大学教授の講座に寄付をしているなど、利益相反の問題もあるとしている。

 国立循環器病センターの死亡例については、同センターの調査委員会が「診療体制が不十分で容体変化への対応が遅れた」と認定している。【清水健二】

毎日新聞 2009年3月10日 20時18分

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