米国:6臓器出して腫瘍切除成功 7歳児に日本の医師ら

2009年3月11日 7時38分 更新:3月11日 8時54分

 米国の7歳女児から六つの臓器を取り出して腹部の腫瘍を切除、再び臓器を戻す難手術に日本の加藤友朗医師が率いるチームが成功し、回復した女児の退院が決まった。加藤医師らが10日、手術を行ったニューヨーク長老派モルガン・スタンレー子供病院(ニューヨーク)で記者会見し明らかにした。

 加藤医師はマイアミ大で昨年、60代の女性に対し同様の手術を行い世界で初めて成功。今回が2例目だが、子供への手術は初めて。

 前回は、取り出した6臓器すべてを体内に戻したが、今回は胃など3臓器の状態が悪く戻せなかった。加藤医師は「大変な手術だったが、女の子(の回復)は順調で、手術上の問題はほとんどなかった」と話した。

 女児はニューヨーク州のヘザー・マクナマラちゃんで、手術は2月6日から23時間かけて実施された。腫瘍はテニスボール大で血管に複雑に巻き付いていたため通常の手術では対応できず、胃と肝臓、膵臓、脾臓、大腸と小腸を取り出して腫瘍を切除し、肝臓と大腸、小腸を戻した。

 両親、姉と一緒に自ら歩いて会見に姿を見せたヘザーちゃんは、帰宅したら何をしたいかとの質問に「愛犬のエンゼルやお姉ちゃんと遊びたい」と笑顔で語った。

 戻せなかった3臓器は生命維持に不可欠ではないが、糖尿病になったり、感染症にかかる恐れがあり、特別の配慮が必要という。(共同)

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