国内ニュース 2004.3.7




 日本勢やられた!

 


 トリプル世界戦、3選手とも敗れる…


 6日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナでトリプル世界戦が行われ、日本人3選手全員が判定負けした。トップをきってウィラポンの持つWBCバンタム級王座に挑んだ西岡利晃(帝拳)は、初回こそ打って出たもののやはりウィラポンの壁は厚かった。王者の右リードを食らいつづけ、ポイントを失う。3回にバッティングで負った右目上のカットも、回をおうごとに出血がひどくなり、結局、0−3(116−110,117−109,118−109)の判定負け。西岡本人も「すっきりしました。完敗です。ウィラポンは今回が一番強かった」と完敗を認めている。今後については、「(5度目の世界戦が)決まれば、やる。でも、自分自身も、見ている人も、やりのこしたことはないんじゃないですか」と言葉を濁した。
 続いてリングに上がったのは、WBC・S・バンタム級王者ラリオスに再挑戦の仲里繁(沖縄WR)。KO決着必至と思われたカードは前回のように打ち合いが繰り広げられたが、仲里の強打は今回もベルトには届かず。仲里得意の左フックは単発気味だったのに対し、打ち合いで数多くヒットしたラリオスが判定勝ちした。両者ともダウンはなかった。オフィシャルの採点は116−112、118−109、120−107。「今後については、しばらく休んでからじっくり考えたい」という仲里。だが、ラリオスがマニー・パッキアオと対戦するために王座を返上する予定のため、ラリオスに善戦した仲里に、王座決定戦のチャンスが回ってくる可能性もありそうだ。
 メインのWBA暫定バンタム級戦は、王者戸秀樹(緑)がサラテのスピードを利したボクシングに苦戦。何とかペースを奪おうと、攻めた戸だったが「スパーリングをやってるみたい」(戸)というように、もどかしい展開が続く。とうとう最後まで、サラテを弱らせることができずに不完全燃焼の1−2判定負け(111−117、115−116、116−112)。昨年10月4日のトリプル戦ではレオ・ガメスを破り、ただ1人笑った戸だったが、その時獲得した王座を失った。


佐竹、判定負け 中島はV2

 トリプル世界戦のアンダーカードは何とも豪華な試合。第1試合では日本S・バンタム級タイトルマッチ10回戦が行われ、王者・中島吉謙(角海老宝石)が挑戦者で1位の瀬川設男(ヨネクラ)に判定勝ちした(97−95,98−94,99−94)。頭を低くプレッシャーをかけてくる瀬川を中島が左フックのボディーで迎え打ち、弱らせた。中島は2度目の防衛。
  続いて登場の、OPBF・S・ライト級王者の佐竹政一(明石)はコロンビアのカルロス・マウサと“最後”の世界前哨戦。自他ともに世界挑戦を嘱望する佐竹は、これに勝っていよいよ世界に臨む計画だったが、マウサの大きな体と独特のリズムに苦戦。2回にこそ、見事なショートの左ストレートでダウンを奪ったものの、挽回を許して1−2(96−95,95−96,94−96)で判定負けした。「佐竹には、やや不運な判定」という声もあり、再起が期待される。

 

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