日本郵政は10日、旧東京中央郵便局の再開発問題で、設計を変更し、局舎の保存部分を拡大する方向で検討に入った。鳩山邦夫総務相も同日の閣議後会見で、同社から「登録有形文化財にしていきたいと提案を受けた」ことを明らかにした上で、受け入れる考えを示した。局舎の2割程度を残し38階建ての高層ビルとする現行計画は見直されるが、再開発に向けた障害は消えた形だ。
一方、同様に歴史的価値が高いとされる大阪中央郵便局についても、同相は旧東京中央郵便局の結論を見て再検討する提案を受けたと述べた。大阪中央郵便局はJR西日本と共同で40階建てビルに再開発する計画だが、見直される見通し。
旧東京中央郵便局の再開発について総務相は当初、「トキを焼き鳥にして食べるような話だ」などとして、局舎を重要文化財として全面保存するよう求めていた。しかし、再開発中断は年間100億円の減益要因となることが分かり、「トキが死んでもはく製が文化財として残るような保存方法を求めたい」として、登録有形文化財として保存できるなら反対しない姿勢に転換した。
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