▽背景に業務拡大 作業補助者を配置へ
広島市が運営する市立医療機関で昨年十月の約一カ月間に休めなかった医師が計二十五人に上ることが、市の調べで分かった。医師不足に加え、業務拡大が背景にあると分析。四月から、診療以外の業務を手伝う作業補助者(医療クラーク)を配置して改善を図る。
市立五医療機関のうち、指定管理者が運営する安芸市民病院(安芸区)を除く四カ所を対象に昨年十月五日〜十一月一日を調べた。
医師は計三百六十八人で、休みなしの二十五人は全体の6・8%に当たる。広島市民(中区)十四人▽安佐市民(安佐北区)九人▽舟入(中区)二人の順。診療科別は内科や小児科が目立ち、一日しか休まなかった医師も計二十七人いた。
時間外勤務をみると、昨年四月〜今年一月に月百時間を一度でも超えた医師は計十六人。対象四カ所のうち、市総合リハビリテーションセンター(安佐南区)は休日、時間外ともに該当なしだった。
市は、患者への病状や治療方法の説明など業務拡大が、過酷な勤務実態の原因と認識。まずは四月から、広島市民と安佐市民の二病院に医療クラークを初めて導入する。
医療クラークは、国の規定に沿った医療機関での六カ月間の研修を経て、電子カルテ入力▽診断書の作成▽患者や家族への説明―を担当する。広島市民は、受け付け業務などをしている職員二十一人を研修中。安佐市民は新規採用した七人の研修を進めている。
市病院事業局経営管理課は「新たな医師の確保にも努めるが年々難しくなっている。医師を診療に集中させて負担軽減を図りたい」と説明している。(水川恭輔)
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