2009年3月9日21時11分
三菱電機名古屋製作所(名古屋市東区)の工場で働いていた元派遣社員3人が9日、「労働実態は正社員と同じだ」として、同社と直接雇用関係にあることの確認を求める訴えを名古屋地裁に起こした。あわせて、解雇されたことに対する慰謝料として、同社と解雇手続きをした派遣会社3社に対して、計約1800万円の損害賠償を求めた。
訴えたのは、名古屋市内に住む30〜40代の男女。被告の派遣会社は、いずれも東京に本社があるフルキャストファクトリー、ヒューマントラスト、インテリジェンスの3社。
訴状などによると、3人は派遣社員だったにもかかわらず、工場では三菱電機の社員が監督や指示をしていたという。さらに、3人は契約内容にない仕事をさせられたり、三菱電機の社内資格を取らされたりしており、「実態は正社員と同じだった」として、同社と原告の間で期間の定めのない労働契約が暗黙のうちに成立していた、と主張している。
また、3人は今年1〜2月に、それぞれ派遣会社から解雇されたが、実質的に解雇したのは三菱電機であり、「三菱の経営上、解雇する必要性はなかった」などと指摘。権利の乱用による違法な解雇をした三菱電機と、通知などの手続きをした派遣会社に賠償責任があると主張している。
三菱電機広報部は「訴状を見ていないので、コメントは差し控えたい」としている。