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銚子市立総合病院:休止問題 市長リコールの是非問う住民投票、きょう告示 /千葉

 ◇病院休止めぐり街頭で論戦

 銚子市立総合病院の診療休止問題をめぐり、岡野俊昭市長(62)に対する解職請求(リコール)の是非を問う住民投票が9日告示される。投開票は知事選と同じ29日。「市長の病院休止は公約違反」と訴え、リコール運動を進めてきた市民団体「何とかしよう銚子市政・市民の会」(茂木薫代表)と、「休止は財政難による苦渋の選択」として市長を支持する「真実の会」(白土勝彦代表)が連日、街頭宣伝に繰り出し、論戦を展開している。【新沼章】

 ◇休止発表に反発

 リコール運動は岡野市長が昨年7月7日、「9月末で市立総合病院を休止する」と発表したことがきっかけ。1950年設立の同病院(16診療科、393床)は、慢性的な赤字体質が続き、90年代から毎年、一般会計から約9億円を繰り出して補てんしてきた。06年度からはさらに財政事情が悪化、06年度は16億円、07年度は15億円を支出している。

 再開の見通しもないままの突然の休止発表に、地元の薬剤師会は市民出資による「市民病院」の設立を提案。存続を求める「市立病院を支える市民の会」が約5万人分の署名を集めるなど、休止を知った市民の動きが活発化した。

 市民の会は解職請求の理由について、「医師・看護師ら185人を解雇した現市長の下での病院再開は無理」と主張。署名を集める受任者約2000人を選んで署名運動を展開、住民投票に必要な有権者の3分の1(2万229人)を超える有効署名2万3405人分を集めて解職請求にこぎつけた。

 ◇市長が「弁明書」

 これに対し、岡野市長は「都市経営者でもあり、市を守るのが責務だ」と主張。「医師不足が深刻化し、財政難の中でこれ以上の資金投入はできない」「議会の議決を経て進め、独断で決めたことではない」などとし、「リコールは病院再開を遅れさせている」とする「弁明書」を市選管に提出した。

 市は今年9月の診療再開を目指し、大学教授や医師会長らでつくる「病院事業あり方検討委員会」を設置。「公設民営」方式による指定管理者を公募し、現在、選定委で応募のあった1団体(医療法人)の審査を進めている。

 ◇短い実質運動期間

 住民投票で市長の失職が決まった場合、50日以内に市長選が行われる。岡野市長は「解職されても出馬する」としている。

 12日には知事選が告示され、住民投票の結果にも微妙に影響を与えそう。公選法の規定では、知事選告示後は住民投票に関する運動が制限され、組織的な街頭宣伝やビラ配りなどはできなくなる。実質的な運動期間は告示後の3日間に限られることになる。

 「市民の会」の茂木代表は「投票の結果は市民の声。市長は耳を傾けてほしい」と主張。市長支持派の「真実の会」の白土代表は「公約を果たすことは大切だが、市と市民を守ることが最大の使命。公約違反ではない」と訴えている。

毎日新聞 2009年3月9日 地方版

 
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