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「抗うつ薬で攻撃性」副作用の疑い42件 厚労省調査

2009年3月7日6時16分

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 抗うつ薬「パキシル」など4種類のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)を服用した患者が、他人への攻撃性を増したり、激高したりするなど副作用が疑われる症例が08年秋までの4年半に計42件、医薬品医療機器総合機構に報告されたことが分かり、厚生労働省が調査を始めた。製品の添付文書の改訂を指示することも検討する。

 厚労省によると、パキシルのほか、ルボックス、デプロメール、ジェイゾロフトについて、攻撃性、敵意や焦燥感を膨らませるといった報告が寄せられた。07年以降が32件に上る。暴力を振るうなど他人を傷つけるおそれのあるケースが42件中19件あった。同省はメーカー側に報告への見解を尋ね、専門家らの意見も聞いて検討する。

 SSRIは日本で99年に承認された。脳内の神経細胞に情報を伝える神経伝達物質の働きを円滑にさせる効果があり、副作用が少ないとしてうつ病の治療に広く使われている。

 パキシルは00年の販売開始以来の推定使用患者数が100万人を超え、国内のSSRI市場で約5割のシェア。製造販売元のグラクソ・スミスクライン社は「報告の集積状況を見て国とも協議しながら対応を考えたい」としている。他3社も同様の姿勢だ。

 薬害オンブズパースン会議は昨年5月、厚労省などにSSRIの使用実態を調べるよう要望書を出した。水口真寿美事務局長は「攻撃性が増すなどの副作用は海外でも報告があり、日本での報告は氷山の一角」と指摘する。

 専門家の中には、SSRIの副作用でなく、元々の病気や医師の処方との関連を指摘する声もある。防衛医大の野村総一郎教授(精神科学)は「詳しいデータがそろっておらず、医学的評価は難しい。治療効果が上がっている患者が多いことを踏まえ、慎重な対応が必要だ」と話す。

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