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ポルフィリン症でずきん姿の高校生に「タリバーンか」

2009年3月7日

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写真日光を遮るポルフィリン症対策のずきんをかぶった男子生徒の兄=鳥取県境港市

 紫外線を浴びると皮膚が炎症を起こすポルフィリン症のため、黒いずきんをかぶって自転車に乗っていた鳥取県境港市の高校3年の男子生徒(18)に、職務質問した警察官が「お前はタリバーンか」と発言し、ずきんを取るよう求めていたことが分かった。6日の県議会本会議で議員が取り上げ、佐藤幸一郎県警本部長が「不適切な発言で遺憾に思う」と謝罪した。

 議員の質問や県警の説明によると、昨年10月28日夕、同県米子市のJR米子駅前で、自転車に2人乗りしていた高校生を米子署員2人が見つけて職務質問。その際、署員1人が「お前はタリバーンか。自転車はだれのものか」と強い口調で問い、ずきんを取るよう迫ったという。高校生がその場で病気を説明したため、ずきんは取らずにすんだ。

 翌日、高校生と母親が病気を解説したDVDを持って米子署に改めて説明に行った。署長は今月に謝罪し、県警は病気についての知識を広めるため、DVDをダビングし県内全署に配ったという。男子生徒の兄もポルフィリン症でずきんを使っている。

 ポルフィリン症の患者を支援する「さくら友の会」(東京都)によると、ポルフィリン症は遺伝性の代謝異常症で、少しでも強い紫外線を浴びると皮膚が腫れ上がり、急性の肝不全を起こし死に至ることがあるという。同会代表の近藤雅雄・武蔵工業大学教授(生命科学)は「日本では約900人しか学会報告されておらず認知度も低い。外出時にはマントなどをかぶらないといけないが、今回のように誤解を受けることが多い。患者への心のケアが必要だ」と話している。

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