中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 静岡 > 3月7日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【静岡】

『声届いた』住民ら喜び 社保浜松病院先行売却指示

2009年3月7日

『一日も早い手続きを』

 社会保険浜松病院(浜松市中区中島)の診療休止問題は、厚労省トップによる6日の先行売却指示で、解決に一歩近づいた。診療継続を求める住民や職員からは「われわれの声が届いた」と喜びの声も。ただ、今月末の休診に向け、診療が事実上中止されている中だけに、関係者には焦りの色もうかがわれる。

 近隣住民らでつくる「社会保険浜松病院の診療を継続し駅南地域の医療を守る会」は、5日に上京して厚労相あてに署名を提出したばかり。三浦宏之代表(72)は「昨日の今日で驚いたが、空白期間が短くなるように1日も早い手続きを」と話した。移転含みの売却には「現在の場所も分院のような形で残してほしい」と望んだ。

 「地域住民の声が届いた」と喜ぶのは、守る会の事務局長で病院検査部の田中利克係長(43)。市の意見も踏まえて売却作業が進むため「積極的に要望活動を続け、みんなの思いをしっかり伝えたい」。先行きは不透明だが、再雇用への望みをつないでいる。

 鈴木康友市長も「安堵(あんど)した」とコメントした。休診方針を伝えられた昨年12月に「納得できない」と憤慨した鈴木市長。5年前には1日平均の外来患者数が600人以上を数えていただけに、市南部の基幹病院の存廃は重い課題と受け止めていた。

 複数の関係者によると、譲渡を希望する医療団体がすでに市に接触している。「大学からの派遣で医師を確保できる」と関心を示す医療コンサルタント会社もあるという。

 売却に向けては「地域事情を知る県西部の医療団体に担ってほしい」との声が早くから上がっており、市は「病院間で築かれた医療連携を損なわないことも重要だろう」(健康医療課)と話す。

 

この記事を印刷する

中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ