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協会けんぽの保険料率、19道府県で引き上げ 10月

2009年3月7日10時0分

図:都道府県別の保険料率と増減額拡大都道府県別の保険料率と増減額

 中小企業のサラリーマンや家族が加入する公的医療保険「協会けんぽ」(旧政府管掌健康保険)の都道府県別の保険料率が6日、事実上決まった。10月支払い分から適用される予定。現在は全国一律の8.2%(労使折半)だが、19道府県で引き上げられ、最も高くなる北海道(8.26%)と、最も低くなる長野(8.15%)とは、0.11ポイントの差が開く。

 6日開かれた自民党の会合で、厚生労働省が料率算定案を示し、了承された。3月末までに正式決定の見通し。

 協会けんぽの加入者は約3630万人。都道府県別の保険料率を導入するのは、地域ごとに医療費削減に努めるように促すのが狙いだ。保険料率は原則、医療費の水準に応じて設定される。医療費が全国平均を上回るほど保険料が引き上げられ、反対に下回るほど引き下げられる。

 これに従って料率を試算すると、北海道は8.75%となるなど23道府県が現行の8.2%を上回った。大幅な負担増を避けるため、厚労省は5年かけて徐々に本来の料率に引き上げることにした。

 一方で、引き上げを抑えれば、その分保険料収入が少なくなる。それを補うため、料率が下がる地域の下げ幅を抑えて、保険料収支のバランスを取ることになる。結果として、医療費のかからない地域の加入者にとっては、地域別料率を導入したメリットが少なくなる。

 厚労省は当初、引き上げ幅、引き下げ幅を5分の1に圧縮する案を軸に調整を進めていた。しかし、総選挙を控えて、負担増を強いるのは避けたい与党側から「経済情勢が厳しいなか、負担増は避けるべきだ」などの慎重論が相次いだことから、10分の1に圧縮することになった。

 被保険者が月々に支払う保険料(月収28万円のモデルケース)は、本来なら北海道が770円増となるのを84円増に、長野では728円減となるのを70円減に抑えられた。

 ただ、激変緩和措置は5年限り。現在の医療費水準に基づくと、北海道と長野の保険料は年間1万8千円程度の差がつく。(南彰)

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