広島地裁(結城剛行裁判官)は4日、通院先の病院長を脅して職員を配置転換させたなどとして強要と脅迫の罪に問われた広島県安芸高田市、木原国明被告(59)に懲役1年8月(求刑同2年)を言い渡した。患者の院内暴力に悩む病院は多いが、刑事裁判に発展した例は珍しいという。
判決によると、木原被告は人工透析を受けるため市内の病院に通院していた07年6月ごろから、担当職員2人に「木刀で刺す」などと言って辞職を迫るなどし、2人は心身症で休職した。病院長にも看護科長の配置転換を要求して脅し、同年8月に異動させた。木原被告は08年1月に逮捕された。
結城裁判官は「長時間にわたり罵詈(ばり)雑言を浴びせるなどの行為は明らかに脅迫。職員らに我慢しなければならない余地はない」と述べた。【矢追健介】
毎日新聞 2009年3月5日 2時30分(最終更新 3月5日 2時30分)