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【コラム】仏の美人大臣が日本の着物を着たワケ(上)

 ヨーロッパ出張の際、フランスの時事週刊誌「パリ・マッチ」を買った。パリ・マッチ誌は大きな写真を掲載し、政治家や芸能人のプライベートやゴシップを取り上げる週刊誌で、フランスの中・上流層の愛読誌でもある。ページをめくってみると、先日韓国でインタビューしたフランスの女性大臣の写真が掲載されていたため、うれしくて思わず見入った。記事の主人公は先月17日から19日まで訪韓していたナタリー・コシウスコ=モリゼ未来予測・デジタル経済開発担当大臣(35)だった。

 だが、その記事を読んで、少し後味が悪くなった。4ページにわたる記事のうち、最初の2ページにはモリゼ大臣が東京大学のロボット工学研究所で日本人研究員と一緒に笑っている写真が見開きで掲載されていた。その次のページには1面いっぱいにモリゼ大臣が箱根の温泉旅館で茶道を体験するため、着物を着ている写真があった。写真の説明によると、この温泉旅館はジャック・シラク前大統領も訪れたという。

 「ああ、韓国にも来たのに…」

 わたしの口から思わずこんな言葉が出たのは、このときモリゼ大臣は日本だけでなく韓国にも立ち寄っていたからだ。韓国ではサムスン電子やSKテレコムなどを訪問、分刻みの日程をこなし、次の訪問国である日本へ向かった。この記事は、日本に派遣されたパリ・マッチ誌の記者が書いたものだった。記事の最初には、「2月17日から22日まで、大臣はハイテクの先頭を走る韓国と日本を訪問した」という記述があり、記事の中程に大臣が韓国について短く言及した部分があったが、それが韓国に関する内容のすべてだった。粋な写真も、「伝統と現代の魅力」といった美辞麗句もすべて、日本についてのものだった。国のイメージを高める称賛一色の記事から、韓国ははじき出されていた。

経済部=姜京希(カン・ギョンヒ)次長待遇

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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