おととし、佐賀市で知的障害がある男性が5人の警察官に取り押さえられた後に死亡した問題で、佐賀地裁はこのうち1人に特別公務員暴行陵虐の罪で審判、つまり裁判を受けさせることを決めました。
知的障害がある安永健太さん(当時25)は、おととし9月佐賀市の路上で自転車を蛇行運転していたとして警察官5人に取り押さえられ、直後に死亡しました。
遺族は、警察官らが健太さんに、暴行を加えて死亡させたとして刑事告訴しましたが、佐賀地検は5人全員を不起訴処分にしました。
これを不服として遺族は、警察官に裁判を受けさせるよう裁判所に求める「付審判請求」を行い、佐賀地裁は2日、5人のうち1人について、特別公務員暴行陵虐の罪で審判、つまり裁判を開始することを決定しました。裁判所は、28歳の警察官が健太さんの胸を数回殴る暴行を加えたと認定しています。
「1人の人間が死んでいるということですよね。これに対してやっぱり審判請求が通ったということは、自分自身では当然だと思っていますけど。自分が知りたかったことが、やっとだんだん分かってくるのではないかと思っています」(健太さんの父・安永孝行さん)
佐賀県警は「当時の行為は警察官として必要な適正なものであったと考えておりますので、残念に思っています」とコメントしています。(03日20:50)