小沢代表:秘書を逮捕 西松から違法献金の疑い 東京地検

2009年3月3日 17時52分 更新:3月3日 20時31分

小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の事務所の家宅捜索に向かう係官ら=東京都港区で2009年3月3日午後5時28分、山本晋撮影
小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の事務所の家宅捜索に向かう係官ら=東京都港区で2009年3月3日午後5時28分、山本晋撮影

 準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)から違法な企業献金を受け取っていたとして、東京地検特捜部は3日、小沢一郎民主党代表の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)ら3人を政治資金規正法違反の疑いで逮捕し、小沢氏の資金管理団体「陸山会」(東京都港区)を家宅捜索した。大久保容疑者は否認しているとみられるが、捜査の行方は政界にも大きな影響を与えそうだ。

 ほかに逮捕されたのは、西松建設前社長、国沢幹雄容疑者(70)=外為法違反で起訴=と元同社総務部長、岡崎彰文容疑者(67)で、西松建設の名前を隠して政治団体名義で陸山会に献金した疑いがもたれている。

 逮捕容疑は、陸山会の会計責任者だった大久保容疑者が03~06年、西松建設から計2100万円の献金を受け取りながら、政治資金収支報告書には同社OBが設立した二つの政治団体からの献金だったと虚偽の記載をしたとしている。

 政治資金規正法は00年以降、政治家の資金管理団体への企業献金を禁止。他の名義を使った献金も禁じている。これらの規定が適用され、刑事事件に発展したのは異例だ。

 同社関係者によると、小沢氏側に献金していたのは同社OBが設立した政治団体「新政治問題研究会」(95年設立)と「未来産業研究会」(98年設立)の二つで、ともに06年末に解散した。この2団体の会費は、部課長クラス以上の一部社員が現金で支払い、あとで会社が賞与に上乗せする形で補てんする仕組みだったとされ、脱法的献金との指摘が出ていた。

 2団体は解散までの約10年間に計約3億8500万円を与野党の国会議員や自治体首長らに寄付していた。政治資金収支報告書が閲覧可能な04~06年に主な有力議員の資金管理団体が受けた献金額をみると、民主党では小沢氏に1400万円▽山岡賢次国対委員長に200万円▽自民党では尾身幸次衆院議員に400万円▽森喜朗元首相に300万円--などで、小沢氏が最も多かった。

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