2009年3月3日 19時29分更新
おととし佐賀市の路上で知的障害のある男性が警察官5人に取り押さえられた直後に死亡したことをめぐり佐賀地方裁判所は3日までに遺族からの求めを受けて警察官1人について刑事責任を問う裁判を開くことを決めました。
裁判を求めていたのはおととし9月に死亡した安永健太さん(当時25)の遺族です。
知的障害のある安永さんは佐賀市で自転車で帰宅する途中蛇行運転をしたなどとして警察官5人に取り押さえられた際に意識不明となり間もなく死亡しました。
安永さんの遺族はこの警察官5人を刑事告訴しましたが佐賀地方検察庁は警察官の暴行の事実や警察官の行為と死亡との関係は認められないとして不起訴にしました。このため遺族は去年4月佐賀地方裁判所に警察官の刑事責任を問う裁判を開くよう求める付審判請求を行いました。
その結果裁判所は3日までに警察官5人のうち1人を被告として特別公務員暴行陵虐の罪で裁判を開始することを決めました。
決定によりますとこの警察官は安永さんを保護する時に胸などを数回殴って暴行を加えたとしています。
一方4人の警察官については安永さんを取り押さえはしたが違法なものとまでは認められないとしています。
また安永さんの体の多数の傷については死因となる程度の傷は認められないとしてます。
今後は裁判所が指定した弁護士が検察官の役割をして裁判が進められることになります。
最高裁判所によりますと付審判請求は平成に入ってから去年までの20年間で全国で5701人が手続きを行っていますが審判が開始されたのは4件です。