県の「医師派遣調整会議」が2日開かれ、県立医大から公的病院に医師を派遣する県の事業で、新年度の配置が決まった。派遣数は今年度と同じ33人だが、新たに県立大野病院(大熊町)に1人を派遣するなど、相双地区に重点を置いた。
県は06年度から、地域の中核病院への「医師派遣事業」を実施し、交付金を通じ人件費を負担している。
県によると、新年度の対象は14病院で、地区別の派遣数は▽県北7人▽県中3人▽県南2人▽会津3人▽相双14人▽いわき4人。08年度比で相双2増、県北2減とした。済生会福島総合病院(福島市)の2人を減らし、大野病院に外科医1人を派遣するほか、南相馬市立総合病院は現行の6人から、内科医1人増の7人とした。
南相馬市が昨年6月に「非常事態宣言」をするなど、相双地区は医師不足が深刻化しており、同市では06年の10万人当たりの医師数が147人(県平均は176人)だった。同市立総合病院は「非常勤に頼らざるを得ない状況なので、ありがたい」と話した。
また同日、「へき地医療支援機構」の新年度の医師派遣で、田村市、只見、南会津町の3医療機関へ常勤医計5人の派遣が決まった。只見町の朝日診療所の枠を1人増やした。【今井美津子】
毎日新聞 2009年3月3日 地方版