今月12日に、メキシコの研究チームが、自国でもっとも人気のアルコール飲料であるテキーラから人工ダイヤモンドを合成する方法を発見したと英BBCが報道した。メキシコの商業関係者を中心に同技術に注目が集まっている。
実験に成功したのは、メキシコ国立自治大学の研究チーム。主任のミゲル・アパティガ氏は、BBCに対し、「液体のテキーラを熱し、発生した蒸気をステンレス製の基盤上に沈着させることで、ダイヤモンドの被膜ができる」と説明している。
生成した人工ダイヤモンドは非常に小さいため、電子顕微鏡で確認できる程度で、現状では宝飾用のダイヤモンドを作り出すのは難しいが、コンピュータチップに使用されているシリコンの代用などでの利用が検討されている。
とはいっても期待が高まるのは、やはり宝飾用としてのダイヤモンドだ。今回の実験で使われたのは市販されている一般的なテキーラだったが、研究チームによると、1本たった3ドルのテキーラでもダイヤモンドを作るには十分だという。テキーラの原材料のアガベはメキシコ国内のハリスコ州とその周辺で生産され、欧米でマルガリータなどテキーラをベースにしたカクテルの人気が高まったことから、輸出や消費が伸び、生産量は85年に5300万リットルだったのが99年には1億9100万リットルにも達している。
「もしテキーラから宝飾用に可能なダイヤが大量生産できれば・・・」とメキシコ人研究者が開発したメキシコ産製品の応用技術に、同国商業関係者の期待は高まっている。
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