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当事者不在、ガザ復興支援会議始まる(1/2ページ)

2009年3月2日23時15分

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 【シャルムエルシェイク(エジプト東部)=井上道夫】イスラエル軍の攻撃で破壊されたパレスチナ自治区ガザの復興を支援する国際会議が2日、当地で開かれた。米国や欧州、日本、アラブ諸国、国連など約80の国や機関が参加し、相次いで支援を表明。エジプト政府によると、総額は40億ドル(約3900億円)を超えた。だが、ガザを支配するイスラム過激派ハマスやイスラエルなど「当事者」は不在で、会議での合意が実際の支援につながるかどうかは不透明だ。

 会議には、初の中東歴訪となるクリントン米国務長官や、サルコジ仏大統領らが参加。冒頭でパレスチナ自治政府のアッバス議長が「イスラエルは家屋や学校などすべてを破壊した」と述べ、国際社会に支援を呼び掛けた。

 自治政府は、ガザ復興には約28億ドルの支援が必要と試算。これに対し、米国が人道支援を中心に約9億ドル相当の支援を表明したほか、欧州連合(EU)欧州委員会は5億5400万ドル、日本も今後数年間にわたり2億ドルを支援すると約束した。アラブ諸国なども相当額の支援を表明している。

 だが、実際の支援に結びつけるのは容易ではない。イスラエル、ハマス双方は1月18日に「停戦」状態に入ったものの、イスラエルによるガザ封鎖は続いている。

 現在、イスラエルがガザへの搬入を許可しているのは国連などが運び込む人道支援物資や、最低限の燃料など。復興に必要なセメントや鉄鋼材などは、軍事拠点の建設や武器に転用される可能性があるとして、原則的に許可していない。

 復興に不可欠な検問所の開放へ向けたイスラエルとハマスの停戦長期化交渉がエジプトの仲介で進んでいるが、ハマス側が人質にとっているイスラエル兵の釈放などをめぐって双方が譲らず、難航している。今回の会議で国際社会がガザの復興支援を打ち出しても、イスラエルが検問所を開放する保証はない。

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