【カイロ高橋宗男】イスラエル軍の攻撃で甚大な被害を受けたパレスチナ自治区ガザ地区の復興支援を協議する国際会議が2日、エジプトのシャルムエルシェイクで行われた。80以上の国・機関は、パレスチナ自治政府の求める約28億ドル(約2720億円)を大幅に上回る約45億ドルの分担金拠出を表明した。
パレスチナ自治政府の集計によると、ガザ地区の全壊家屋は4000軒以上、損壊家屋も1万1500軒以上に上り、社会資本も含め被害回復だけでも約13億ドルが必要とされる。主な拠出額は、湾岸アラブ諸国計約16億ドル▽米国9億ドル▽欧州連合(EU)約5億ドル▽日本2億ドル。
ただ、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルは会議に招かれず、イスラエルによるガザ地区封鎖が続く中、いかに復興を促進するかという根本的な課題は残ったままだ。
米国は国務長官として中東を初訪問したクリントン氏が拠出を表明。「我々の拠出金は間違った相手(ハマス)には渡らない。(パレスチナ自治政府の)アッバス議長と協力していく」と述べ、テロ組織と位置付けるハマスへの強硬姿勢を改めて強調した。
一方、国連の潘基文(バンギムン)事務総長は「救援活動の従事者が現地に入れず、必要物資が届かない」と述べ、イスラエルのガザ封鎖に不満を表明した。
毎日新聞 2009年3月2日 22時15分(最終更新 3月3日 1時49分)