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佐藤修 独占インタビュー
初防衛にも揺るがぬ王者“HULK”の勇気



初防衛戦に臨む“HULK”佐藤修が現在の心境を語ってくれた【スポーツナビ】




 世界ボクシング協会(WBA)スーパー・バンタム級王者の佐藤修(協栄)が10月9日、国立代々木競技場第一体育館で同級1位のサリム・メジクンヌとの初防衛戦に臨む。


 佐藤修が指名挑戦を受けて立つ。挑戦者は同級1位、左ファイタータイプのサリム・メジクンヌ(フランス)。5月、2度目の世界挑戦で待望の世界タイトルを手にした佐藤は、今回の初防衛戦でもいつも通りにアグレッシブで気持ちの強いボクシングを見せてくれることだろう。リングに向かう佐藤が度々、口にする「勇気」とは何か? 協栄ジムで調整を重ねる佐藤に聞いた。

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初防衛戦にも揺るがぬ“HULK(大男)”の精神

 佐藤は“スロースターター”と言われることが少なくない。実際に2度の世界戦はともに序盤で劣勢を強いられた。しかし、その裏には「自分のボクシングを貫き通せば勝機を見出せる」という確固たる自負がある。自ら好んで用いる“HULK(大男)”というニックネームは、何よりも佐藤の精神的な強さをよく表している。


――10日間にわたるハワイでのキャンプ。かなり走り込んだようですが

写真提供【協栄ボクシングジム】
 もう慣れた所なので集中してトレーニングが出来ました。練習メニューは、走り込みだけです。実際に試合で使うスタミナというよりも、本当の「基礎体力」作り。これとは別にジムワークの方もやっています。両方をやらないと、試合で使えるスタミナにはなりませんから。

――226キロの走り込みの消化。練習漬けという感じだった?

 いや、練習の合間、合間に自由な時間が2〜3時間あるので、買い物にブラブラと散歩がてらに出掛けたりとか。「もう限界で歩けない」という時には部屋で昼寝をしたり。リラックスしてやっていました。

――試合まで1カ月余りとなりましたが、ナーバスになったりしませんか

 僕は至って普通ですね(笑)。

――世界王者になった自覚など、気持ちの面での変化は

 ありません。特に意識せず、これまでどおりに戦っていきたいと思っています。

――もうすでに減量期間に入っている?

 はい、若干。楽に落とせるタイプじゃないので。

――今回の相手はサウスポーですが、あまり対戦経験がありませんね。苦手意識はありませんか

 基本的にサウスポーは苦手です(苦笑)。3〜4試合しか対戦経験もないし、ジムでスパーリングをするにしても、右のオーソドックスな選手が多いので。慣れてはいないですね。

――その辺りは、大竹(重幸)トレーナーと対策を練っている?

 そうですね。でも、サウスポーと一口に言っても、やりやすいサウスポーもいれば、やりにくいサウスポーもいるでしょうから、その辺はやってみないと分からないですけど。基本的な対策はしています。

――対戦相手のメジクンヌ選手の印象は

 僕は今回に限らず、対戦相手をくみしやすいと思ったことがないんですよ(笑)。こういう相手が良いとか嫌だとか、そういうのはないんです。

――前回同様に、今回も距離がキーポイントになると考えていますか

 練習は普通にしていますけど。相手は頭が低い(スタイルの)選手なので、短い距離では頭(ヘッドバッティング)に気をつけるとか、そういう対策はしています。

――相手よりもとにかく自分のスタイルに仕上げてることに専念する?

 まあ本当に、僕は器用でも何でもないので。自分に出来るボクシングをするしかありませんから。

――「自分に出来るボクシング」とは

 何て言うのかな……。前進して……。何て言うのかな……。アグレッシブ……かな(笑)。とにかく気持ちで負けないように。不恰好でも泥臭くても気持ちが伝わるような、一生懸命にやるところ。技術うんぬんは、あまり分からないので。

――初防衛戦にも多くの人が詰め掛けるでしょう。どんなファイトを見てもらいたいですか

 そうですね、やっぱり難しい試合になると思うんですが、とにかく精一杯、すべてをかけるつもりで戦います。その中で勇気を与えたり、感動してもらえるような試合が出来ればと思っています。だから、とにかく全力で戦う姿を見てほしいです。


因縁の舞台、代々木に立つ

 佐藤にとってはジムの先輩でもあり、憧れの存在だったのが鬼塚勝也だ。奇しくも今回の舞台となる代々木第一体育館は94年の9月に鬼塚が李炯哲に敗れ、6度目の防衛に失敗した会場。当時はリングサイドから試合を見つめるだけだった青年がついに同じリングへ上がる。プロフィールに“好きな言葉”として書かれている「志固精進」が、地元・神戸で起きた震災の被害をも乗り越え、より強靭な精神を築き上げた。8年の歳月を経て、佐藤が代々木のイメージを塗り替える。

――佐藤選手がボクシングを始めたきっかけを教えて下さい

 僕は高校の部活で始めたんですよ。もともと、プロレスとか格闘技が好きで、まあ漠然とボクシングをやってみたいなという気持ちがあって。高校には行きたくなかったんですけど、親に「高校ぐらいは行きなさい」って言われて。でも、別に勉強をしたいわけじゃないし。何の目標もなく行っても……と思って、行くからには目標を持ちたいということで、高校ではボクシングをやろうと思ったのがきっかけです。

――実際に始めてみて、イメージとのギャップはありませんでしたか

 やっぱり見るのとは違って、グローブをつけてパンチを出すだけでも、こんなに辛いものかと思いましたね。

――練習の辛さなどから、ボクシングを辞めたいと思ったことはない?

 ないですね。その目標がすべてで高校に入ったので。自分が納得できるまではやりたいと思っていましたから。

――高校の時に協栄ジムを訪問されていますよね

 その頃は、(協栄ジムが輩出した鬼塚、勇利・アルバチャコフ、オルズベック・ナザロフら世界王者のパネルを指して)この方々が現役でしたから。それを見て率直に「すごいな」と思いましたね。パンチのスピードひとつ取ってもそうだし、動きも完成されているし。何が特に1番ということは言えないですけど。

――いずれは自分にも世界レベルのボクシングが出来ると思いましたか

 いや(笑)、そんなことは思えなかったです。

――当時、すでに協栄ジムへの入門は決まっていたのですか

 その時が高校3年で、「卒業したら入門したい」というあいさつで来ました。春に来て、夏休みは2カ月ジムで寝泊りをさせてもらって合宿。冬休みも2週間ほど合宿をしに来て、また1度帰って高校を卒業して。それから上京して正式に入門しました。でも、合宿中は「本当にやっていけるかな?」と思いましたね。当時高校生だった僕には練習量も全然違ったし、肉体的にも精神的にも辛かったです。自信はなかったですね。

勇利アルバチャコフ(左)など、数々の名王者を輩出している協栄ジムには、佐藤に続いて世界を狙う坂田健史(中、右)も所属している。


――上京を控えた95年の1月には、地元の神戸で震災の被害にあった

 あれを経験して、今は近所付き合いとかがない時代ですけど、そういうのが大事だなと思いました。また、人間は、いつどうなってしまうかも分からないということを感じましたから、悔いなく生きていかないといけないなと実感しましたね。

――今回の舞台となる代々木第一体育館は、ジムの先輩にあたる鬼塚選手の試合観戦で訪れたことがあるそうですが、会場の印象は

 その時は「でかいな〜」と思いましたね。リングサイドで見させて頂いたんですけど。

――その時、リングに立っていた鬼塚選手の印象を今でも覚えていますか

 覚えています。

――その舞台に、今度は佐藤選手自身が立つわけですが

 なんか不思議な感じですよね。


「勇気を持って戦う」

 今回の取材に限らず、佐藤は常々「勇気を持って」という言葉を用いる。3年前に亡くなった先代・金平正紀会長の教えを忘れることなく、タイトル奪取直後のリング上でのインタビューでも「先代、協栄ジムの9人目の王者になりました」と真っ先に報告をしたほどだ。佐藤の体には「勇気」という血が流れている。

――佐藤選手は常々「勇気を持って」と言っていますが、ボクシングにおいて「勇気を持って戦う」ということはどんなことなんでしょうか

 人それぞれに違うとは思いますけど、相手を前にして、または試合前の状況にしても、ボクシングにはいろんな怖さがあると思います。試合で緊張し過ぎないようにとか、そういう単純なことから、リング上で相手のパンチを食ってしまう恐怖とか、ダウンをしてしまうのではないかという恐れとか。減量はうまくいくだろうか。風邪をひかずに体調管理をしっかりと出来るだろうかとか……。言い出すときりがないいろいろな怖さがあると思います。そういったものの、どれにも負けない、すべてに打ち勝つ勇気ですね。

――試合中、気持ちが折れそうになることはないのですか

 あります(即答)。ありますね(笑)。

――そんな時は、何を思う

先代・金平正紀会長(写真奥)の存在は今でも偉大だ【スポーツナビ】
 試合によって(頭の中に)出てくるものは違いますけど、ふとだれかのことを思い出して、この人のために頑張らなくてはいけない、とかこの人たちのために勝たなきゃいけない、と思ったりします。

――そういう気持ちが現実的に後押しをすることはあるのでしょうか

 ありますね。地元の神戸から来てくれる応援団をはじめ、ファンの人も応援してくれているし、スタッフもついていてくれているし。結局、自分のためでもあり、周りの人のためでもあると僕は思います。気持ちの面でそういうものがあると「負けられない」という気持ちが膨らむし、体が動かなくてもそんなことは関係ないと思えてきます。

――気持ちが体を動かすということがある?

 そうですね。


照れ屋の王者は「ロッキー」が好き

 リング上で堂々と振舞う姿とは一変し、インタビューに答える佐藤は照れ笑いが絶えない。端正な顔立ちから優しい笑顔がこぼれるのを見ると女性のファンが多いというのも頷ける。しかし、佐藤は根性モノの代名詞とも言える映画「ロッキー」が好きだと言う。


――佐藤選手のイメージカラーは黄色ですが、何か理由はありますか

 もともとハルク・ホーガンの黄色は好きなんですけど、僕は映画の「ロッキー」が好きなんですよ。それで、「ロッキー3」に全身黄色のコスチュームで登場するシーンがあるんですけど、それがビジュアル的に好きで。それで僕のイメージカラーは黄色という感じにしています。

――フィラデルフィアにも行かれたそうですが、現地ではロッキーのようなガッツポーズはしなかった?

 しようとは思わなかったんですけど、テレビの関係でやらされましたね(笑)。正直、恥ずかしかったですよ。それをやりたいとかじゃなくて、その場所に行って、のんびり過ごすというか、じっくり味わいたかったんですけどね。

――前回の試合では、リング上でまさしくロッキー! というようなガッツポーズをしていましたが

 いや……、無意識です(笑)。

――最後に、ファンに向けてメッセージをお願いします

 勝つために、勇気を持って、全力で戦いますので、皆さん、応援よろしくお願いします。

――ぜひ、次の試合でも、あのガッツポーズを見せてください。今日はどうもありがとうございました

 インタビュー終了後、この日のジムワークを始めた佐藤はロープ、サンドバッグ、ミットと続けた後、テレビの前のエアロバイクに跨った。ペダルを漕ぎながら目を向けていたのは、2年前の10月に行われた「畑山隆則vs坂本博之」のVTRだった。互いに引かない激闘で日本中のファンを魅了した一戦に気持ちで戦う佐藤が感化されないわけがない。佐藤の背中には早くも気合いがにじみ出ていた。





写真提供【協栄ボクシングジム】
■佐藤 修(さとう・おさむ)/1976年12月16日生まれ。協栄ジム所属。身長170センチ。神戸国際大付属高校入学後にボクシングを始め、高校2年でインターハイに出場。アマチュア時代の戦績は21戦15勝(4KO・RSC)6敗。95年9月にプロデビュー。01年4月、東洋太平洋スーパー・バンタム級王座獲得。1度防衛して返上。02年2月、WBC同級王者ウィリー・ホーリン(米国)に挑戦も1―0判定ドロー。5月に2度目の世界挑戦でヨーダムロン・シンワンチャーを8RKOで下し、WBA世界スーパー・バンタム級王者となる。名門・協栄ジムが輩出した9人目の世界王者。右のボクサーファイター。29戦26勝(15KO)1敗2分。



写真提供【協栄ボクシングジム】
■サリム・メジクンヌ/1972年1月4日生まれ。フランス/クレルモン・フェラン出身。167センチ。92年11月にプロデビュー。01年3月にかつて協栄ジムに所属していたアントノフ(ロシア)を破り、欧州王座を獲得。その後、2度の防衛に成功。左のファイタータイプ。 43戦39勝(21KO)3敗1分。


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