「31年も生きてきて、そんな大事なことに初めて気づいたことが驚き」
■アンジェラさんが以前からリスペクトしていたベン・フォールズ との共作によるナンバー『Black Glasses』もありますが、これも“やりたかったこと”のひとつじゃないですか?
アンジェラ: 私のヒーローですからね、ベン・フォールズは。ずっとあこがれていたヒーローと共作、共演できるっていうのは、本当に信じられないできごとで。いっしょに作業しているとき、“いま、目の前にベン・フォールズがいる!”ってわれに返っちゃいましたからね、2、3回(笑)。しかも、すごくいい曲ができたと思うし。
■ふたりの個性がしっかり入ってて。
アンジェラ: そう、私だけでは絶対にできない、彼ならではのピアノロックだと思うので。曲を作るときに「ふたりの共通点は何だろう?」っていう話をして、「ピアノとメガネだね。じゃあ、メガネの歌にしよう」って(笑)。最初はふざけた感じにしようって思ってたんだけど、しっかりしたテーマのある曲になりましたね。
■というと?
アンジェラ: メガネを“外に対する顔”の比喩(ひゆ)として使ってるんです。素のままの、ホントの自分を見せたとき、それでもまだ愛してくれるのかな? っていう。曲以外の話もたくさんできたし、ものすごく楽しかったですね。次はサラ・マクラクラン 、それからフィオナ(フィオナ・アップル )とも共作してみたい! なんて(笑)。
■決して夢じゃないと思いますよ。自分で編曲を手がけることも含めて、やりたいことができる環境になってきているのでは?
アンジェラ: そのぶん、プレッシャーもありますけどね。あと、自分が考えてもみなかったことが起きることもあるし。『手紙〜拝啓 十五の君へ〜 』もそうなんですよ。弾き語りの歌だし、言ってみれば、ぜんぜん派手なところもない。そういう曲がこんなにもたくさんの人に聴いてもらえて、歌ってもらえて。
■ライブでも言ってましたよね。「人に歌われることで、曲は育っていく。そのことを初めて知った」って。
アンジェラ: 31年も生きてきて、そんな大事なことに初めて気づいたことが驚きでした。自分の作った歌がたくさんの人に作用していることもうれしいし、だからこそ、もっと謙虚にならないといけないなって思ったし。“答えを探すプロセスに意味がある”っていう『ANSWER 』も、そんなところから生まれたんだと思うんですよね。
■今度はツアーのなかで、そのテーマを伝えていくことになりそうですね。
アンジェラ: そうですね。私のライブには、ホントにいろいろな年齢の方が来てくれるんです。“初めてライブに来ました”という50代の女性だったり、お母さんに連れられてきた小学生の女の子だったり。“ライブに行くなんて、大変だよね”って思ってる方がいるかもしれないけど、そういう人にこそ、ぜひ来てもらいたいんですよね。弾き語りが中心っていうと“おとなしくて、静か”っていうイメージだけど、私はよくしゃべるし(笑)、きっと楽しんでもらえると思うので。 (インタビュー・文 / 森朋之)
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「31年も生きてきて、そんな大事なことに初めて気づいたことが驚き」