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（2009年2月24日公開）

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「『レクイエム』は、おじいちゃんが亡くなったことがきっかけで生まれた」

■日本語訳のカバーだしね。

アンジェラ：最初はね、英語の歌詞のままカバーするはずだったの。マイケル・アリアス監督からは“英語が理解できる日本のアーティストにカバーしてほしい”という要望があったみたいなんだけど、私のほうから“日本語でカバーさせてください”って言って。

■アンジェラさんにしかできないことですよね、それは。アルバムにはボズ・スキャッグスの名曲『We're All Alone』も収録されてますね。

アンジェラ：新たな日本語訳にすることで、カバーでありながら、オリジナルの要素もあると思うんですよね。『We're All Alone』っていうタイトルには、“ふたりきりになれた”という意味のほかに、“人はみんなひとりなんだ”っていう対極の意味があるんです。ボズ・スキャッグスの原曲は“ふたりきりだね”のほうなんですけど、私は“いや、人間はひとりなんだ”っていうところに執着してて。この歌詞を書いたのは24才のときなんですけど、超落ち込んでた時期なんですね。そのころのリアルな心境がすごく出てると思います。

■物事のダークサイドにしっかり目を向けるのも、アンジェラさんらしい。「人にも親にも言えない恋をして」ではじまる『Somebody Stop Me』、それから恋愛、人間関係で同じ間違いを繰り返してしまう女性を描いた『黄昏』も、そうですよね。

アンジェラ：私にも同じような経験があるんですよ。相手の男性は違っていても、やっぱり同じような間違いを繰り返してる、って気づいたことがあって……。新しいスタートを切りたいのであれば、心のなかの荷物を投げ出さなくちゃいけないんですよね。思い出にしがみつくのではなくて、自分らしく生きていくためには一度、すべてを断ち切る必要があるっていう。重い歌かもしれないけど、いろいろな角度で共感してもらえるんじゃないかなって。この曲ね、私のなかではポーティスヘッドなの。光と影が両方入ってるところだったり、すごく影響されてるなって。作ってるときは意識してなかったんですけどね。

■アルバムを通して“ピアノと歌”がしっかり際立ってるんだけど、同時にサウンドの広がりもあって。武道館でも演奏してた『レクイエム』なんて、強烈ですよね。4部構成の組曲になってて……。

アンジェラ：11分ありますからね。ポップソングで11分って、ちょっとおかしいかもしれない（笑）。この曲はね、去年、おじいちゃんが亡くなったことがきっかけで生まれたんです。アメリカまで会いに行ったんだけど、酸素マスクをつけた彼が最後にこんなことを話してくれたんです。「これからもいろいろなことがあると思う。でも、自分がやりたいことに妥協してはいけない」って。そのメッセージをもらったことに対する感謝でもあるし、“大事なことは生きているうちに伝えなくちゃいけない”っていう思いもありますね、この曲には。

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