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本日のトレーニングマッチ後 フィンケ監督
フォルカー・フィンケ監督 本日のトレーニングマッチを終えてのコメント
「今日の試合については、私の方から強く希望していました。なぜならば、チームに所属するたくさんの選手がいるわけですが、その中で、昨日の試合に出られなかった選手にも開幕戦の前に経験を積ませたかったからです。そのために私の方から試合を希望しました。ですから、私にとっても今日の試合は非常に大切な試合でした。
若手主体のメンバーで今日の試合に臨んだわけですが、一部、やはりまだ経験が足りないということがありまして、若いからこそ犯してしまうであろうというようなミスをいくつか見ることができました。残念ながら3点というたくさんの失点をしてしまいましたし、これはやはり実力とかそういう問題ではなく、まだ経験が不足していて、今後もさまざまな経験を積んでいかなければいけないということが分かりました。
今日の試合に関しては、結果について満足することはできませんが、今日このようなタイミングで試合を行なうことができて、たくさんの若手の選手が試合に出られたということについては喜んでいます」
(得点については?)
「私が覚えている限りでは、今日私たちのチームは2得点したと思います。特に後半になってからたくさんの得点チャンスを作ることができましたし、それに関しては若手の選手たちを褒めたたえたいと思っています。なぜならば、いい形からたくさんの得点チャンスを作ることができました。同時に、相手のチームのGKも褒めたたえたいと思ってます。なぜかというと、何度か素晴らしい反応を見せて、私たちの得点チャンスを見事に潰してくれたからです。
根本的には、今日の試合に関してあまり詳しくお話をすることができません。それにこの試合の評価については難しいところもありますけれど、先ほど申し上げた通り、今回この試合が行なわれた一つの理由というのが若手の選手にチャンスを与えること。そして昨日の試合に出なかった選手たちに、さらに試合での経験を積ませることでした。そういう意味では、このタイミングでこのような試合ができたことは非常によかったと思っていますし、一つ一つのプレーについてはコメントをするつもりは一切ありませんが、全体を考えればある程度いい試合ができたのではないかと思います」
(昨日主力組が出て、主力が出ない今日の試合を非公開にした意図は?)
「今日非公開にしたことについては、私の方で特に深い戦略的な意味があるわけではありません。ただし、正直なところ『昨日が主力組だ』とおっしゃいましたが、それならばなぜジャーナリストの皆様が今日ここへいらっしゃったのか、少し不思議に思うところはあります(笑)。ただし、外交官的な発言になるかもしれませんが、私が唯一言えることは私の希望、クラブの希望もあって、いろんなことを話し合った結果、今日の試合も非公開にしようと決めたということです」
(以前「準備期間では少なくとも一回は負けるべきだ」と言っていたが、それについては?)
「少なくとも結果に関しては、私がとても怒ってしまうほど不満足というわけではありません」
(開幕までにトレーニングマッチをまだ組むか?)
「予定はありません」
(昨日「試合の前に体を起こすために運動する」と言っていたが、今日もやったかということと、シーズン中でもそうするかということについては?)
「今日は行ないませんでした。シーズン中には必ず行なう方針で考えています。ホームであろうとアウェイであろうと関係なく、試合当日のプログラムとして現在のサッカー界では常識だと思います。ひと昔前ではチーム全員が集まって当日の午前中に散歩をすることもありましたが、現在のやり方では散歩をするのではなく、30〜40分間一緒に簡単なトレーニングを行なうことによって、もう一度汗をかくということが非常に大切です。もちろん場合によってはボールを使ったり、 使わなかったりするときもありますが、それはその日の試合会場、あるいは現場での状況にもよると思います」
(高原の事故の件では本人と話をしましたか?)
「今日の午前中に高原が私の部屋に来まして、この件に関していろいろ話をしました。もちろん情報交換ということもそうですし、一体どのような状況でどのような事故があったのかということ、それから彼がどのような運転をしていたのか、それから自転車の(被害者の)方の今の状況がどうなっているかというようなことについて話を聞きました。私にとってとても大切だったのは、自転車に乗っていた方に今後残るような後遺症があるのかどうかということ、これがとても大切でした。もちろん高原にとっては非常に難しい状況だと思います。私が今のところ聞いている限りでは、高原が非常に違反(のような運転)をしていたとかそういう話ではなくて、あくまでもいろいろな不運が重なって事故が起きてしまったということです。そういうことを考えると、一番大切なのは自転車に乗っていた方の後遺症の心配が現時点ではないということです。もちろん残念ながらけがをしてしまったということがありますので、できる限り早い回復をお祈りしています。そして私としてはやはり選手のメンタル面を考えますので、高原がこの状況を今どう見ているのか、どう感じているのか、ということが大切になってきます。ですからこのことに関しまして、高原ともいくつか話をしました。それ以上の詳細に関しては現在ここではしたくないと思います」
(メンタル面も含めて高原は今後も開幕までトレーニングを続けていける状況?)
「もちろんです」
(監督は選手が試合後の疲れた体で運転することについてどういう意見を持ってる?)
「これはあくまで根本的な考えですが、よほどのけがをした選手などが自ら運転するのはよくないことだと思います。ただし、けがをしてない選手、そして今回のように非常に大きなプレッシャーがかかる公式戦、アドレナリンがすごく高くなるような、例えば降格してしまうかもしれないとか、そのような非常に圧力がかかるような試合に出場したのではないような場合は、自ら車を運転して家に帰るということは問題ないことだと思っています。なぜかというと、通常は試合の後にすぐ運転をするわけではありません。試合の後にまずクールダウンをして、それから体のケアがあって、着替えて、今回はアウェイの試合でしたのでバスでこちらへ戻って来て、それから初めて(車に)乗るわけです。ですので、興奮した状況で車に乗ることは一切ありませんので、そういうことについては問題がないことだと思っています」
(例えば日本相撲協会では力士の運転を一切禁止している。そういうあり方についてはどう思う?)
「例えば降格してしまった後とか、あるいは優勝した直後とか、そういうときに車を運転するのは難しいことだと思います。なぜならばエモーショナルなレベルが非常に高いレベルにあって、場合によっては少し頭が混乱しているところがあるかもしれないからです。しかし今回のようなトレーニングマッチや、通常の試合の後には、クールダウンをして、体のケアをして、それからバスで戻って来てというように時間が経っています。そういう場合はスポーツマンが車を運転することには別に問題がないと思っています。日本相撲協会の方でなぜそういう禁止令が出ているのかについては、私の方では情報がないので理解することはできません。しかし、何か今までにそういう例があったので、そうしたルールができたのではないでしょうか。大切なのは私たちはスポーツの社会だけを考えるのではなくて、社会全体を見渡すことです。例えば、今、世界は経済危機です。それによって仕事を失った方というのが必ずいるわけです。皆さんは、そうして仕事を失った人に対して『車を運転していいのか?』と毎回心配なさるでしょうか?もちろんスポーツ選手は著名であって、新聞によってよく知られている存在だということは理解できますけれど、同じような非常にストレスのかかっている状況で車に乗るということは、一般社会の中でもよく起きうることなのです。ですので、すぐ相撲、あるいはサッカーと比べるのではなくて、他の職業の方とも比べてみてはいかがでしょうか。失業者になったばかりの方に対して『あなたは今仕事を失ったせいでストレスを感じているから、車に乗るのはやめた方がいい』というルールは存在していないはずです」
(鹿島アントラーズがガンバ大阪に勝った昨日の富士ゼロックススーパーカップについてはどう思う?)
「私たちのコーチングスタッフの一人が現場に行って、スタジアムでも試合を観戦しました。私も今日実際に映像を確認したわけですが、確かにアントラーズはいいチームだと思っています。ただし、前半にガンバ大阪の方にもチャンスがあったわけですし、ガンバが先制したとしてもおかしくなかったと思います。ですから3-0という結果については、印象としてはアントラーズの快勝という印象を受けますけれども、ガンバの方もいい試合をして、とてもいい選手がそろっているのではないかと思いました。これ以上アントラーズについてあまり詳しくお話をするつもりはありません。なぜならば私もこれからゆっくりと映像を見ながらさまざまなことを確認していきたいからです。ただし、一つ言えることが昨年、そして一昨年と彼らが非常にいい結果を残したのは偶然ではないということを、もう一度私も見ることができたと思います」
(開幕までの1週間でチームを高めるために今後どのようなことをしていく?)
「昨年とは違うやり方でこれから臨んでいくわけですし、システムの変更というものはすぐに出来上がるわけではありません。今日明日で選手たちがすべてを理解するのはやはり難しいです。しかし、これまでも選手たちはしっかりとさまざまなことを吸収していい方向に向いてきていると思いますし、今後も開幕戦とは関係なく、定期的にこのシステムについてトレーニングしていくことによって、選手たちの戦術理解度というものを上げていきたいと思っています。もちろんさまざまなゲーム形式のトレーニングというものも考えています。今後もマイボールのときはどうするのか、相手がどのポジションでボールを奪ったときにどういう形でそれにこちらが反応を見せるかなど、さまざまなトレーニングをまだまだ積んでいかなければいけないと思います」