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船橋真二郎

清水智信の世界挑戦が決定=ボクシング
敵地でWBCフライ級王者ポンサクレックに挑む

2007年03月27日

アマチュア戦績78戦68勝(25KO・RSC)10敗。豊富なアマキャリアを持ち、アテネ五輪強化指定選手でもあった清水智信(金子)の世界挑戦が決定
アマチュア戦績78戦68勝(25KO・RSC)10敗。豊富なアマキャリアを持ち、アテネ五輪強化指定選手でもあった清水智信(金子)の世界挑戦が決定【 山口裕朗 】


 WBC世界フライ級14位にランクされる清水智信(金子)の世界タイトル挑戦が決定し、去る21日に正式発表された。挑む相手はWBC世界フライ級王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)。1970年代に活躍したミゲル・カント(メキシコ)の持つフライ級レコード14度防衛を更新し、16連続防衛を続ける歴戦の王者であり、ここまで日本人選手の7度にわたる挑戦を、ことごとく退けている日本人キラーでもある。

 タイのサラブリで4月6日に行われるこのタイトルマッチは当初、戎岡淳一(明石)の挑戦が予定されていたが、1月のノンタイトル戦に敗れた上世界ランクから外れていたこともあって、WBCに認められず、代役として清水に白羽の矢が立てられたもの。金子ジムに正式にオファーがあったのが7日の夜で、清水本人に伝えられたのは翌8日。6月頃にOPBF東洋太平洋王座への挑戦を目論んでいた金子ジム陣営にとっては、まさに寝耳に水だったろう。会見の中で清水は「急過ぎて最初は戸惑いもあったけど、やらないとチャンスはゼロだし、プロとして逃げるのは嫌だった。立ち向かうことで人間的にも成長できると思うし、不安な思いを断ち切って決めました」と、1日考え抜いた末に決意を固めたと明かしている。

 13日からは、世界挑戦経験もある4月15日に日本ライトフライ級タイトルマッチを控える嘉陽宗嗣(白井具志堅)や、同じサラブリでアジアの地域タイトルに挑戦した経験のある牧山勝海(横浜さくら)といった、ポンサクレックと同じサウスポーをパートナーにしてスパーリングを重ね、1か月を切る短い準備期間の中で、急ピッチの調整を続けている。その本番を約2週間後に控えた清水に話を聞いた。


世界ランク入りを決めた試合で自分のスタイルを確立

1月21日の試合は、清水にとっていろいろな意味でのターニングポイントになった 1月21日の試合は、清水にとっていろいろな意味でのターニングポイントになった【 山口裕朗 】
 アマチュア時代から「サウスポーは得意」だったという清水。1月21日に後楽園ホールで行われた前回の試合は、世界ランキング入りを決めると同時に、それを証明する1戦となった。当時WBC世界フライ級8位で22勝(13KO)1敗の強豪ファーペッチノーイ・クラティンデーンジム(タイ)を、華麗なステップワークと鋭い左で終始翻弄(ほんろう)。判定ながら、カウンターで2度ダウンを奪う見事な圧勝劇で、ランク入りを決めている。

――コンディション面ですが、今どんな感じで来ていますか?

 そうですね。まあ体重も(リミットまで)あと1kgくらいでだいぶ落ちてきたし、実戦練習も嘉陽くんとか牧山くんにお願いして、だいぶスパーできているんで調子も上がってきているし、今は調子いいですね。

――急きょ決まった世界戦で、「こんなに短い準備期間でリングに上がるのは初めて」ともおっしゃっていましたが、いつもの試合2週間前の状態には近くなってきている感覚はありますか?

 う〜ん。それはわかんないですね。どうしても「俺はここまで走りこんできたから大丈夫とか、これだけ練習したんだから大丈夫だ」っていう精神的な柱が、今回はないじゃないですか?いつもと変わらない状態で来てるかなとは思いますけど、そういう面でやっぱり不安は少しありますね。

――先日の記者会見の中で世界ランキング入りを決めた前回1月のファーペッチノーイ戦のコンディション、それ以上でもそれ以下でもない状態をイメージしながらコンディション作りをしていると言っていたのが印象的でしたが、やはり今までで最高のコンディションだった?

 いや、そういう訳でもないんですけど、世界戦だからといっていつもと違うことをやっても、急だし、身体を壊したり……どうしても焦っちゃうじゃないですか?「世界戦だ。日も短い」ってことで。だから、追い込みたくなる気持ちを抑えて、いつもの試合と同じなんだって思うように心がけてやっています。無理してケガしたりしたら、元も子もないんで。

――1月の試合は、世界ランキング入りを決めたことも大きいんですが、戦い方という面でも、清水選手にとって今後の指標、基準になった大きな意味を持った試合になったと思うんですが?

 そうですね。やっぱりプロになってから今までは、スパーとかでも前進前進というか自分から自分からっていう感じばかりになってたんですけど、あの試合以降、やっと大学時代のステップワークとプロで培ってきたものがうまく融合できたかなって思いますね。足を使いながら、相手が打ってきたところにカウンター合わせたりとか、相手に攻撃させないような動きもできるようになってきたし。今までずっと「何か違うな」って感じてたのが、あの試合以降、やっと自分のスタイルを確立できたかなって感じます。

――これまでは接近戦、ショートレンジでの連打を課題に、意識して何試合かやったこともありましたが、無理に自分の距離を殺してしまっているような印象も受けました。試合内容では圧倒していても、バッティングで目の上をカットしてしまったりということもありましたよね

 でも、ああいう経験があったことで足を使いながら接近戦もうまくできるようになったと思うし、なんて言ったらいいんですかね、ほんとにうまく融合できたって感じです。

――プロとして倒さなければならないという部分もあったと思うんですが、バッティングで傷を負った経験も、プロとしての自分のボクシングスタイルを確立する過程での試行錯誤であって無駄ではなかった、今に活きていると

 そうですね。はい。ああいう接近戦もプロとしては必要だと思うし、ああいう経験があったから前回の1月の試合もあったと思うんで。自分のレベルアップにつながっているかなって思いますね。


今回の世界戦のキーワードは「左」

サウスポーは得意だという清水。「どこまでポンサクレックに通用するか楽しみ」と、恐怖心に負けないくらいの静かな自信をのぞかせる サウスポーは得意だという清水。「どこまでポンサクレックに通用するか楽しみ」と、恐怖心に負けないくらいの静かな自信をのぞかせる【 山口裕朗 】
――ポンサクレックをビデオで研究して、戦い方のポイントを二つ挙げていました。一つは打ち終わりにガードが空くから、そこをカウンターで突く、ということ。二つ目はアウトボクシング、足を使われると弱いのではないか、ということ。今回の世界戦もキーワードは「足」と「左」になりますか?

 そうですね。やっぱり特に左ですね。ポンサクレックは右が強くて、特に右のアッパーが強烈なんで、あれをもらったら倒れちゃうと思うんですけど、でもそのアッパーを打つときにすきがあるんで、怖がらずにカウンターを狙っていこうかなって思っています。ポンサクレックはもちろん速いんですけど、直線的に4連打5連打ぽんぽんと打ってくるから、その一瞬にバックステップしながら左フックのカウンターが狙えるんじゃないかなって。

――百戦錬磨のポンサクレックにすきを作らせる、という意味でいうと左のリードも重要になるのではないですか?

 僕がサウスポー得意だっていうのは、左ストレートを当てられるから。他の(オーソドックスの)選手だと、サウスポーに対しては、どうしても右ストレートを当てようってなると思うけど、僕の場合は左を突けるんで、出鼻をくじけるんです。だから、この間の世界ランカーにも手数を出させなかったし、やっぱりそれが僕の長所だと思うんで、ポンサクレックにも左が当たれば面白いんじゃないかなとは、自分の中ではイメージしてるんですけどね。

――昨年9月のタイの選手との試合では相手を圧倒しながら、打ち終わりの一瞬を、逆に突かれてダウンを奪われたということもありました。あのときには「僕の油断だった」と反省されてましたが、もちろん世界戦では常に集中を保たなければならない

 いや、もう油断なんてできない、一瞬たりと気が抜けないんで(笑)。まあ、今回は暑さもあるし、試合前のパレードとかあったり、絶対に集中できなくなる状況があるとは思うんで、それをいかにして集中を保てるかっていうのも鍵になってくると思います。

――敵地ではいろいろなことがありそうですけど、動じないようにっていう

 だから気負わず、普通にいつも通りの感覚で楽しんでリングに上がろうかなとは思ってるんですけど。気負っちゃうとどうしても緊張したり、ガチガチになったりとか、何でも気になっちゃうと思うので。そのときそのときの状況を楽しんで、自分の力を出そうと思います。

――ただ、ビデオを見ながらポンサクレックに対する戦い方が自分の中でイメージできてきたときに、恐怖心や不安感が薄れてきて、今では試合が楽しみになってきた、早く試合がしたいともおっしゃっていましたね?

 まあ、ぶっちゃけ怖いし、不安だけど(笑)、徐々に仕上がりもよくなってきたし、(過去、ポンサクレックに挑戦した)内藤(大助)さんとか、小松(則幸)さんは打ち合って倒されたけど、僕はああいうボクシングはしないし、僕のサウスポーが得意っていう部分がどこまでポンサクレックに通用するのか楽しみですね。僕とやると(サウスポーは)みんな大振りになったりとか、手が出なくなったりとか、長所を殺せると思うんで、それがチャンピオンにどれだけ通用するのか。まあ、通用しなかったら怖いですけどね(笑)。でも、最悪の状況は頭に入れてるし、左が当たらなかった場合の組み立ても考えているので。


「これは偶然じゃなく、運命。みんなを驚かせたい」

4月6日、王座奪取を期して、清水は“運命”のサラブリのリングに上がる 4月6日、王座奪取を期して、清水は“運命”のサラブリのリングに上がる【 山口裕朗 】
――タイの環境、特に暑さは不安材料になるでしょうか?

 まあ暑さは不安ですけど、同じ敵地でも、これがフランスなんかに行って、後楽園ホールみたいな会場でやるんだったらそれほど気にはならないだろうけど、屋外でやったことがないので、どんな感じなんだろうって(笑)。まあ、気にせずやるだけですけどね。

――試合まであと2週間で、試合の話があってからも約1か月。話を聞いていると、特別なことはできないし、やる必要もないというか。いつも通りの、ここまで積み上げてきた清水智信のボクシングをタイのリングでそのまま表現することができれば、いい勝負ができるっていう感じでいるのでは?

 そうですね。あと今回はチャンピオンにも油断があると思うんでそこを突ければ、面白いんじゃないかなって。

――今回の世界挑戦を決意したときのことを「人間的にも大きく成長できるんじゃないか」と考えて決めたとおっしゃっていました。確かにポンサクレックには、清水選手の6倍ものキャリアがあって、世界戦だけで清水選手以上の試合経験があります。ただ、ある意味で経験というのは他人と比べて劣っているとか考えるたぐいのものでもなくて、自分の経験した一つ一つを自分だけのものと大切に思ったときに本当に自分の経験として活きてくるものというか、清水選手自身そういう生き方をしてきたという印象があって、デビューから3年、プロでのキャリアは11戦ですけど、一つ一つ中身が濃くて、いろいろな経験をされてきたと感じているんですが

 そうですね。デビュー戦にはKOで勝ったけど、2戦目にはタイの選手に1ラウンドでKO負けして(苦笑)。3戦目には右手(小指)を骨折してしばらく治らなかったり、それ以降はバッティングで切ったりする試合も多くて。本当にいろいろありましたね。でも全部が全部いい経験になっていて、自分の実になってるっていう感じはあります。

――そういう一つ一つの経験に対して、きちんと向き合って乗り越えてきたからこそ、1月の試合があって、今回のチャンスは清水選手自身が引き寄せたっていう気もするんですけど

 偶然はないというか……何て言ったらいいんですかね。僕にこういうチャンスが来たのは、代役として偶然舞い込んできたものじゃなくて、必然というか、これは運命なんだと信じてるので、みんながみんな無理だと思ってるのかもしれないけど、その分、逆に言えば、余計なプレッシャーもないし、チャンピオンになって、あっと驚かせたいです。


敵地での世界奪取は成功なるか!?

過去に日本人が7連敗している16連続防衛の強敵ポンサクレックを見事下すことができるか 過去に日本人が7連敗している16連続防衛の強敵ポンサクレックを見事下すことができるか【 山口裕朗 】
 日本人初の世界王者である故・白井義男氏が戦後52年に制した日本伝統のフライ級。19日には坂田健史(協栄)がWBA世界フライ級王座を4度目の挑戦で制し、日本人選手としては約17年ぶりに世界フライ級のベルトを日本にもたらしている。24日には前WBA世界ライトフライ級王者・亀田興毅(協栄)がフライ級に復帰。その亀田が標的と公言するポンサクレックから清水が王座奪取を果たせば、国内フライ級はWBA・WBC両世界王座を巡ってが然、盛り上がりを見せるだろう。

 敵地での王座奪取は確かに困難である。日本人選手としては92年4月の平仲明信以来、15年もの間、途絶えている。だが、序盤に清水が得意の左でポンサクレックの出鼻をくじき、持ち味であるスピードを活かしたボクシングを展開することができれば、王者の隙を十分に突けるはず。「難しいことだとわかっているけど、その難しいことを成し遂げることで、『努力は必ず報われる』っていうことを自分で証明して見せたい」という清水の“運命”のゴングは4月6日、タイのサラブリで打ち鳴らされる。

■WBC世界フライ級タイトルマッチ
4月6日 タイ・サラブリ

[WBC世界フライ級王者]ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ) 66戦64勝(33KO)2敗
[挑戦者]清水智信(WBC世界フライ級14位/金子) 11戦10勝(4KO)1敗

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