あなたも裁判員：埼玉弁護士会・小出次期会長、集会で裁判員制度の廃止訴える　／埼玉

　◇「めちゃくちゃだ」
　４月から埼玉弁護士会の会長に就任する小出重義弁護士も参加した裁判員制度廃止を求める「良心的裁判員拒否宣言２・１５埼玉集会」（裁判員制度はいらない・埼玉主催）。小出弁護士は「めちゃくちゃな制度」と制度の廃止を訴えた。【飼手勇介】
　小出弁護士は、裁判員制度について「（公判までに）数カ月かけて準備した裁判官と（準備の時間がない）裁判員が対等に議論できるはずがない。現状以上に誤判は防げない」と批判。制度開始が近いことに「ここが正念場」と話した。昨年２月に埼玉弁護士会の臨時総会で否決された「制度の廃止もしくは延期を求める決議」について、「まず、これを変えなければいけない」と言い、再び議題にかける意向を示した。「幸い会長という立場がある。思い切り暴れる」と続けた。
　集会後、約４０人がデモ行進。さいたま地裁前などで、「裁判員制度は公平な裁判を受ける権利を保障した憲法に違反する」などと声を張り上げた。昨秋に裁判員候補者の呼び出し状が届いたという主婦（３６）は「自分が被告だったら素人に裁かれたくない。罰金を払ってでも呼び出しに応じない」と話した。
　現在の海老原夕美会長は賛成の立場だが、元々埼玉の弁護士会は、他県に比べ反対派の割合が高いこともあり、今後の弁護士会の動きが注目される。

２月１６日朝刊