超高齢者医療を考える「市民フォーラム09 長寿を目指して」(実行委主催)が28日、和歌山市の県民文化会館で開かれ、日本赤十字社和歌山医療センター(同市)副院長兼泌尿器科部長の林正さんが「07年に心肺停止など命にかかわる救急患者として1万2965人を受け入れたが、実際に救急医療が必要な患者は約900人だった」と述べ、医師の過重労働の実態を理解してほしいと訴えた。
林さんは、「高齢者の救急医療体制」と題して、医師不足、地域間の医師数の格差など救急現場の窮状などを講演した。特に高齢者救急は、複数の疾患があることが多く、症状の訴え方も個人差が激しいと指摘。また、骨折などの合併症を併発しやすいため、検査や治療が困難であることを説明した。
林さんは「若い勤務医の士気を高めるためには、患者からの感謝の気持ちや心遣いが必要」と話した。【山本芳博】
毎日新聞 2009年3月1日 地方版