キヤノン工場建設をめぐる脱税事件で、コンサルタント会社「大光」(大分市)の社長大賀規久容疑者(65)が逮捕容疑とは別に、同社と関連会社「匠」(東京都千代田区)の2社で計約24億円の所得を隠した疑いのあることが28日、関係者の話で分かった。東京地検特捜部は拘置期限の3月2日にも、大賀容疑者らを法人税法違反容疑で再逮捕する方針。
大賀容疑者は関連会社「ライトブラック」(大分市)の所得約9億7600万円を隠し、約2億9200万円を脱税した容疑で逮捕された。3社の所得隠し額は計約34億円に上る見通し。
複数の関係者によると、大賀容疑者は、キヤノンの大分市の工場や川崎市の研究施設建設で、大手ゼネコン「鹿島」の元請け受注に協力し、見返りに多額のリベートを要求。十数億円のコンサル料を受領し、裏金捻出(ねんしゅつ)のため架空工事を特定の下請けに発注させたほか、鹿島内部でつくらせた裏金約5億円も受け取った。
大賀容疑者は業務委託を偽装したり、工事代金を裏金化したりする方法で脱税。裏金づくりには大阪市のコンサル会社代表で「脱税請負屋」とされる難波英雄容疑者(61)らのグループが関与、協力報酬ももらっていたという。
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